データサイエンティスト検定（DS検定 リテラシーレベル）は、データ活用の土台となる知識と実務での活かし方を横断的に確認できる民間資格です。2024年以降は生成AIなど最新トピックもカバーするよう試験範囲が更新されており、企業のデータ利活用・DX推進の基礎力を客観的に示す指標として注目度が高まっています。最新の実施概要・合格率・学習法・申込方法まで、実務者視点で整理しました。
| どんな目的向けか | 就職転職年収アップ未経験からのキャリアチェンジ（データ活用の基礎力を客観証明しやすい検定のため）。 |
| どんな職種向けか | データサイエンティストデータアナリストデータエンジニア機械学習エンジニアBIアナリストマーケター/企画職プロダクトマネージャー（出題範囲がビジネス/分析/エンジニアリングを横断）。 |
| おすすめポイント | 公式に定義されたスキルチェックリスト（リテラシー領域）に基づくCBT試験で、幅広いデータ活用の基礎力を短期間で体系的に学べます。実施回数も増えており年3回前後で受験機会が多く、全国のテストセンターで受けやすいのも魅力です。 |
| 未経験者が取得にかかる学習時間 | 未経験者：約150〜200時間（公式リファレンスブックの通読＋章末演習＋用語/統計/機械学習の基礎復習） 中級者（統計/SQL/Pythonの基礎あり）：約50〜150時間（公式本の精読＋模試/問題演習） 実務経験者（データ活用経験やG検定等保有）：約20〜50時間（弱点分野の補強＋模試） |
| 総費用（教材＋講習＋試験料＋更新料） | 教材費：2,500〜3,000円前後（公式リファレンスブック第3版の紙/電子の目安） 講習費：0円〜99,000円程度（無料動画講座〜有料対策講座まで） 試験料：一般10,000円・学生5,000円・大学会員学生4,000円（いずれも税抜）※税込の目安：一般11,000円・学生5,500円・大学会員学生4,400円 更新料：不要（合格の有効期間は特に設けず） |
| 取得方法 | データサイエンティスト協会の案内ページからCBT-Solutionsの申込ページで受験枠を予約し、全国のテストセンターでCBT（100問/100分の選択式）を受験して合格する。合格後は合格証・オープンバッジが付与。 |
| 合格率 | 直近公表（第9回・2025年3月実施） 約44％。合格ライン目安：正答率約77％。 |
| 試験実施場所 | 全国のCBTSテストセンター（都道府県別に設置。例：北海道/札幌、宮城/仙台、東京/23区内複数、神奈川/横浜、埼玉/大宮、千葉/千葉、茨城/水戸、栃木/宇都宮、群馬/前橋、愛知/名古屋、静岡/静岡、岐阜/岐阜、三重/四日市、石川/金沢、新潟/新潟、長野/長野、富山/富山、福井/福井、京都/京都、大阪/梅田ほか、兵庫/神戸、奈良/奈良、滋賀/大津、和歌山/和歌山、岡山/岡山、広島/広島、香川/高松、徳島/徳島、愛媛/松山、高知/高知、福岡/博多、佐賀/佐賀、長崎/長崎、熊本/熊本、大分/大分、宮崎/宮崎、鹿児島/鹿児島、沖縄/那覇 など）。 |
| どんな企業向けか | NTTデータ, 富士通, NEC, ソフトバンク, 楽天, リクルート, 日立製作所, ヤフー, サイバーエージェント, パナソニック, アクセンチュア, IBM, Google, Amazon, Microsoft |
| 詳細情報 | 詳細はこちらをクリック |
Table of Contents
データサイエンティスト検定（DS検定 リテラシーレベル）（民間資格）とは
データサイエンティスト検定（通称：DS検定 リテラシーレベル）は、一般社団法人データサイエンティスト協会が主催する民間資格です。本検定は、データサイエンスに必要な「データサイエンス力」「データエンジニアリング力」「ビジネス力」の3分野を総合的に評価し、その水準を「見習い（★1）」相当として位置づけています。2024年6月に実施された第7回試験以降は、生成AIの利活用スキルが公式に出題範囲へ追加され、さらにDX推進パスポートの発行申請対象としても認定されました。
データサイエンティスト検定（DS検定 リテラシーレベル）試験の概要
試験方式
試験は全国のテストセンターで実施されるCBT（Computer Based Testing）方式です。形式は四肢択一の選択式問題で、問題数は100問、試験時間は100分と設定されています。当日は本人確認書類の提示、ロッカーでの私物預け、受験用PCへのログインなど、標準的なCBT受験フローに従って進行します。
出題範囲
出題内容は、協会が公開している「スキルチェックリスト ver.5」に準拠しています。具体的には、以下のような分野から出題されます。
- データサイエンス力
- データエンジニアリング力
- ビジネス力
- 生成AIの活用
統計学・機械学習の基礎理論、データ解析手法など。
SQL、クラウド、データ基盤の構築・活用スキル。
データ活用における倫理・法令遵守、コンプライアンス、DX推進の知識。
ChatGPTをはじめとする大規模言語モデル（LLM）の基礎理解とビジネス応用。
また、公式サイトでは模擬問題（PDF形式）が無償公開されており、受験対策として活用可能です。
問題数・試験時間・合格基準点
試験は100問を100分で解答する形式です。合否はスコアによって判定され、公式には基準点が公開されていませんが、過去の受験データによれば合格ラインは正答率約77〜80％前後で推移しています。
難易度・合格率
最新の合格率データ
直近の公開データによると、第9回（2025年3月実施）では約44％、第8回（2024年11月実施）では約45％、第7回（2024年6月実施）では約48％が合格しています。回ごとの合格率はおおむね40〜50％台で推移しており、基礎知識を着実に習得すれば十分に合格可能なレベルです。
初学者でも合格可能な理由
本検定のリテラシーレベルは、専門家としての高度な実務力を問うのではなく、「幅広い基礎知識を横断的に理解しているか」を評価する試験です。そのため、協会が監修する公式リファレンスブックや市販の対策問題集を活用し、計画的にインプットと演習を積み重ねることで、未経験者でも十分合格が狙える試験となっています。
他資格との比較
同分野の資格としては以下の比較が有効です。
- G検定（JDLA主催）
- 統計検定2級
AI・ディープラーニングに関するリテラシーを重点的に問う試験。
統計学の理論力を体系的に評価する検定で、数理的な理解を深めたい人に適しています。
資格を得るメリット
- 就職：新卒・第二新卒の基礎的データスキルの証明として有効です。DX推進パスポート申請対象である点もアピール材料になります。
- 転職：実務未経験でも「学習到達度」を客観化でき、職種横断でのデータ活用ポテンシャルを示せます。
- スキルアップ：統計・機械学習・データ基盤・倫理の全体像を体系的に学べます。
- 年収アップ：評価・配置やPJ参画の幅が広がりやすく、昇給・昇格の土台づくりに寄与します（企業制度次第）。
- 未経験からのキャリアチェンジ：公式教材＋講座で短期集中の学習計画を組みやすいです。
- 副業/フリーランス：可視化・簡易分析・PoC補助などの入口業務に向けた基礎固めとして有用です。
勉強方法・対策
勉強時間の目安
DS検定の学習時間は、受験者のバックグラウンドによって大きく変わります。文系・未経験者の場合は60〜100時間程度を確保し、基礎理論から順に学習することが望ましいです。一方で、理系出身で統計やプログラミングの基礎がある方や、業務でデータ活用経験がある方は30〜60時間で合格を狙えるケースもあります。学習プロセスは「基礎インプット → 問題演習 → 弱点補強」という3つのサイクルを回すことが重要です。なお、これはあくまで目安であり、理解度や得意分野によって調整する必要があります。
| 受験者レベル | 学習時間の目安 | 出典・参考リンク |
|---|---|---|
| 初心者（文系・未経験） | 150〜200時間 |
出典：Benesse／Udemy 参考リンク |
| 中級者（理系基礎あり、業務でのデータ利用経験あり） | 50〜150時間 （多くは50〜100時間） |
出典：Benesse／Udemy、Agaroot、Toukei-Lab Benesse／Udemy 、 Agaroot 、 Toukei-Lab |
| 上級者（実務経験豊富、G検定など他資格あり） | 20〜50時間 |
出典：Benesse／Udemy、Toukei-Lab Benesse／Udemy 、 Toukei-Lab |
独学と講座の選び方
DS検定を独学で目指す場合は、公式リファレンスや公式問題集を軸に学習することが最も重要です。出題範囲が明確に整理されているため、基礎から応用まで体系的に理解することができ、独学でも十分に合格を狙えます。特に数学や統計、機械学習の基礎知識を自分のペースで積み上げたい人にとって、費用を抑えつつ効率的に学べるのが大きなメリットです。加えて、過去問演習や模擬試験を活用して、実践的な解答力を鍛えることも欠かせません。
一方で、短期間で効率的に合格を目指したい方や、苦手分野を克服したい方には講座の併用が効果的です。代表的な選択肢としては、SkillUp AIやアガルートといったオンライン講座が挙げられます。これらの講座では、基礎理論を整理した体系的な講義、実践的な演習問題、さらに直前期に効果的な模擬試験やポイント解説が用意されており、自学自習だけでは気づきにくい知識の穴を埋めることができます。特に、学習時間が限られている社会人や、学習計画の立て方に不安がある方には心強いサポートとなります。
アプリや問題集の活用法
公式の模擬問題PDFで難易度を把握し、出版社の問題集で領域横断のアウトプット練習を重ねます。スマホ学習は一問一答型のWeb問題集等をスキマ時間に使い、弱点タグ付け→反復を徹底します。
おすすめ参考書・教材
初学者向けテキスト – 具体的なおすすめ理由を明示
-
『最短突破 データサイエンティスト検定（リテラシーレベル）公式リファレンスブック 第3版』（技術評論社）
おすすめポイント：
- 最新スキルチェックリストver.5とAI・データサイエンスのモデルカリキュラムを網羅した、公式テキストです。
- 出題範囲を丁寧に解説しており、ゼロから基礎を固めたい方に最適です。
- 実務経験豊富な著者による執筆で、試験だけでなく業務にも役立つ知識が身につきます。
- 数学が苦手な方や文系出身者にも配慮された構成で、辞書的に調べやすいと評判です。
- 講座（例：アガルートDS検定講座）でも準拠しており、独学・受講の両方で使いやすい一冊です。
-
『徹底攻略 データサイエンティスト検定問題集［リテラシーレベル］対応』（インプレス）
おすすめポイント：
- 問題演習を通じて知識を定着させられる実践型教材です。
- スキルチェックリストver.5に完全対応し、試験範囲を網羅しています。
- 「データサイエンス力」「データエンジニアリング力」「ビジネス力」をバランスよく学べます。
- 各問題には丁寧な解説があり、間違えた箇所の理解を深められます。
- 400ページ超のボリュームで、総仕上げ問題も収録。模試としても活用可能です。
- 「インプットとアウトプットが1冊で完結する高コスパ教材」と評価されています。
通信講座・オンライン講座
SkillUp AI、アガルート等が講座を提供しています。動画＋小テスト＋模擬で知識の定着を図れます。
試験申し込み方法・日程
受験申し込み手順
DS検定（データサイエンティスト検定）の申込は、個人受験と団体受験で手続きが異なります。
個人の場合は、試験実施機関が提供する「CBT-Sマイページ」からアカウントを作成し、希望会場と日程を選択して申し込みます。支払いはクレジットカードやコンビニ決済に対応しています。
団体の場合は、教育機関や企業を対象とした「団体バウチャー制度」を利用し、担当者がまとめて手続きを行う仕組みです。団体専用の申し込みページが公式サイトに用意されており、そこで人数分の受験枠を確保できます。
試験会場と日程
試験は全国にあるCBTテストセンターで実施されます。受験者は最寄りの会場を選択可能で、申込時に空席状況を確認しながら日程を予約します。
次回（第11回）の実施予定は、2025年11月8日（土）〜11月30日（日）までの約3週間にわたり行われます。
試験は一斉実施ではなく、期間内であれば都合の良い日を自由に選択できる「随時受験方式」で、社会人や学生でも予定に合わせて受けやすい点が特徴です。
受験料
受験料は以下の通りです（税抜）。
- 一般受験者：10,000円
- 学生受験者：5,000円
- 大学会員所属の学生：4,000円
支払い完了後のキャンセルや返金は原則できないため、日程や会場を十分に確認してから申し込みましょう。
また、消費税率の変更や受験料改定が行われる可能性があるため、最新情報は必ず公式サイトで確認することが推奨されます。
合格後の活用方法
就職活動での活用
DS検定に合格したことは、履歴書や職務経歴書に記載できる公式な資格としてアピール可能です。
特に「データ分析補助」「可視化」「レポーティング」などの職種に応募する際、学習内容を整理して成果物（ポートフォリオ）とともに提示することで、採用担当者に実務での即戦力を伝える手段になります。
また、資格を保有していることで、データサイエンスの基礎リテラシーを習得済みである証拠となり、未経験からの転職やキャリアチェンジにも有効です。
社内評価・資格手当
企業によっては、人事評価における資格加点や部署配置の参考として活用されるケースがあります。
合格者にはPDF形式の合格証明書が発行され、さらに国際的に利用できる「オープンバッジ」も受領可能です。これにより、オンライン上のプロフィール（LinkedInなど）に掲載してスキルを証明でき、社内外での信用度を高めることができます。
また、社内資格手当の対象になる企業もあり、スキル認定が給与面に反映される場合もあります。
次のステップ（上位資格）
DS検定合格後は、自身のキャリアや業務内容に応じて、さらに上位資格へ挑戦することが推奨されます。
- AIリテラシーの強化を目指すなら「G検定（JDLA）」
- 統計理論の強化を目指すなら「統計検定2級」
役割に合わせて資格を選ぶことで、データサイエンティストとしての専門性を体系的に高めるキャリアパスを描くことができます。
よくある質問（FAQ）
Q. 合格率はどのくらいですか？
直近公表では第9回（2025年3月）で約44％です。回により変動します。
Q. 合格ラインは固定ですか？
スコアで判定され、目安は正答率約77〜80％で推移しています（回により変動）。
Q. いつ結果が分かりますか？
第10回（2025年6月実施）は2025年7月24日12時に結果発表でした。各回の結果は受験者マイページで確認します。
Q. 過去問はありますか？
公式の「模擬問題PDF」と市販問題集を活用します（過去問は原則非公開）。
まとめ
DS検定リテラシーレベルは、データ活用の基礎力を横断的に可視化できる資格です。CBT・100問・100分で、最新の生成AIトピックも含む3領域から出題。合格率はおおむね40％台で推移し、合格ラインの目安は正答率約77〜80％です。学習は公式リファレンス＋問題演習を軸に、必要に応じてオンライン講座を組み合わせると効率的です。申込・日程・受験料は必ず公式最新情報を確認のうえ準備を進めましょう。
