仕事でAIを使いたいけれど、仕組みや限界を説明できず、導入の相談になると困ってしまう。G検定は、そんな人がAI・ディープラーニングの基礎を体系的に学ぶための検定です。
2026年の試験形式と申込日程を確認したうえで、暗記で終わらせない勉強法と、合格後に取り組む小さな実践を紹介します。
G検定が向いている人と2026年の試験概要
G検定は、AIを作るコードの試験ではなく、AIの仕組みと活用上の判断を学ぶ検定です。まず自分の目的を確認し、受験方式と申込手順を選びましょう。
| 試験時間 | 100分 |
|---|---|
| 出題 | 多肢選択・145問程度 |
| 場所 | 自宅などのPC環境 |
| 手続き | チケット購入後に日程予約 |
| 次回 | 2026年11月6日・7日 |
| 試験時間 | 120分 |
|---|---|
| 出題 | 多肢選択・145問程度 |
| 場所 | 指定テストセンター |
| 手続き | 会場試験用サイトで予約 |
| 次回確認 | 2026年11月回は実施なし。公式日程を確認 |
AIを仕事で使う前に判断の土台を作りたい人に向く
G検定は、AIの提案を聞いても何を質問すればよいか分からない人や、生成AIを使い始めたものの出力をどこまで信じてよいか迷う人が、基礎を整理する学習に向いています。日本ディープラーニング協会が実施し、受験資格の制限はありません。プログラミング経験がない企画職や営業職でも受験できますが、用語を覚えるだけでなく、それぞれの技術がどんな場面で使われるかを考えながら学ぶことが大切です。
例えば、問い合わせ対応を効率化したいなら、文章の分類と回答の生成は別の仕事だと分けて考えます。分類の結果をどこへ渡すのか、生成した回答を誰が確認するのかまで考えると、技術名だけを並べる提案から一歩進めます。一方、コードを書いてモデルを実装する力を直接示したい場合は、G検定だけでは足りません。Pythonによるデータ分析の学習などを組み合わせ、知識の理解と実装経験を分けて積み上げてください。
オンライン100分と会場120分を混同しない
2026年の試験は、オンラインが100分、会場試験が120分で、どちらも多肢選択式の知識問題が145問程度です。以前の「オンライン120分・160問程度」という説明は、現行の練習時間には使えません。問題数は目安ですが、オンラインでは一問に長く時間をかけすぎると後半を見直せなくなります。演習では、分からない問題を残して先へ進む判断も練習しておきましょう。公式FAQでは、両方式は同じ資格として扱われると説明されています。
自宅受験を選ぶ場合は、申し込む前に使用するパソコンで動作確認をします。スマートフォンで学習している人も、受験環境は別に用意してください。会場試験は会場の機材を使う方式ですが、開催回や予約の仕組みがオンラインとは異なります。2026年11月の第6回はオンラインのみで、会場試験は実施されません。「自宅では集中しづらいから会場へ変更する」と直前に切り替えられる前提でチケットを買わず、開催方式を確かめてから申し込むことが必要です。
受験料を確認しチケット購入後に日程を予約する
受験料は一般13,200円、学生5,500円で、いずれも税込です。オンライン試験はチケット購入と試験回の予約が別の手続きなので、購入しただけで当日の受験予約も終わったと考えないようにしましょう。チケットの有効期限は1年間です。オンライン用のチケットを会場試験へ流用することはできません。割引制度を利用する場合も、対象条件と適用方法を支払い前に確認し、購入後に差額が戻るという前提で進めないようにしてください。
次の第6回は2026年11月6日16時から17時40分、または11月7日13時から14時40分に実施されます。個人申込の締切は10月29日23時59分、団体申込は10月22日23時59分です。自分で払うのか会社経由で申し込むのかによって締切が違うため、補助制度を使う人は社内手続きも先に確認します。申込後は予約内容と登録メールを見直し、当日使用するパソコンでログインできることを確認してください。支払いと予約と環境確認を別々に点検すると、手続き漏れを防ぎやすくなります。
G検定の知識を定着させる勉強の進め方
範囲が広いG検定では、似た用語を区別し、技術を使う理由まで説明する練習が役立ちます。以下の三つを順番に進めると、暗記と業務への応用を結び付けやすくなります。
シラバスを見ながら用語を対にして整理する
最初は公式シラバスを確認し、理解できる項目と説明できない項目を分けます。教材を最初から最後まで同じ速度で読むより、機械学習やディープラーニングなど大きな分類を先に押さえると、細かな用語の位置づけが分かりやすくなります。例えば教師あり学習と教師なし学習は、名前を二つ覚えるだけでなく、学習に使うデータと目的がどう違うのかを書き出してください。分類と回帰も、結果として何を予測するのかを身近な例で説明してみましょう。
ノートは用語辞典を丸ごと作る必要はありません。混同した言葉だけを取り上げ、「目的」「入力」「出力」「注意点」を一行ずつまとめる方法なら、復習する量を抑えられます。技術の名前を見て説明を選べる段階から、具体例を読んで適切な考え方を選べる段階へ進めてください。新しい教材を買うときは、表紙の年だけで決めず、公式の出題範囲と目次が対応しているかを確認します。古い教材を使う場合も、更新された範囲をどこで補うか決めておくと抜けを見つけやすくなります。
例題の誤答理由を説明し時間配分を練習する
公式の例題や公開されている過去問題を解いたら、正解したかどうかに加えて、他の選択肢がなぜ合わないのかを説明します。答えの位置を覚えただけでは、表現を変えた問題に対応しにくくなるからです。誤答を「知らなかった」「似た概念と混同した」「条件を読み落とした」に分けると、読むべき教材と練習方法を変えられます。正解でも理由を言えなかった問題は、復習対象に残してください。得点だけを記録するより、自分がつまずく種類が見えてきます。
一通り学んだ後は、受験方式に合った時間で演習します。前半で丁寧に考えすぎる人は、迷った問題をいったん残し、最後まで見てから戻る手順を試してください。オンライン試験中は一時停止できないため、普段の学習でも途中で別の用事を挟まず、集中して解く時間を確保します。模試の正答率は教材内での達成度として使い、公式の合格基準と同じだとみなさないことも大切です。模試ごとの数字を比べるより、以前説明できなかった概念を説明できるようになったかを確かめましょう。
小さなAI活用案で効果と確認方法を考える
知識を仕事につなげる練習として、架空の問い合わせメールを分類する企画を一枚にまとめてみましょう。最初に「担当者が振り分けに使う時間を減らす」など、解決したい問題を書きます。その後で、どんな種類に分けるか、どのような文面を使って試すか、正しく分けられたと判断する基準は何かを決めてください。AIを使うこと自体を目標にせず、ルールによる分類で十分かも含めて考えると、技術を選ぶ理由を説明しやすくなります。
この練習では実在する顧客情報を集める必要はありません。自分で作った架空データを使い、短文や複数の用件が混ざった文章など、間違えやすそうな例を含めます。確認項目は、平均的な正しさだけでなく、重要な問い合わせを見落とさないか、人が修正する手間が増えないかまで考えてください。学習の成果は「AIで効率化できる」という一文より、試す範囲と中止する条件まで書いた方が伝わります。実際の業務へ持ち込むときは、利用するサービスと社内ルールを確認し、小さな検証から始めましょう。
G検定の受験と合格後によくある質問
難易度や必要な勉強量は、合格率だけでは決められません。ここでは受験判断に使える情報と、取得後に進む方向を整理します。
合格ラインと勉強時間はどのくらいですか?
合格ラインと勉強時間はどのくらいですか?
JDLAは合格ラインと得点を公開していません。「何割取れば必ず合格する」という数字を、受験計画の確定条件にしないようにしましょう。また、必要な学習時間は、AIの用語を初めて読む人と、仕事でデータ分析をしている人で変わります。一定の時間を勉強すれば全員が同じ水準になるわけではないため、まず公式例題を解き、理解できていない分野の量を把握するところから始めてください。教材を買う前の短い確認でも、必要な補強は見えます。
週の計画は、教材を読む日、問題を解く日、間違いを説明し直す日に分けると進捗を判断しやすくなります。例えば平日は一つの概念を整理し、休日に複数分野の問題をまとめて解けば、読んだ直後だけ正解できる状態から抜け出せているかを確かめられます。学習記録には時間に加え、未解決の疑問を残してください。受験日が近づいても特定分野を丸ごと読めていないなら、模試を増やすだけでなく基礎の理解へ戻る必要があります。勉強時間は成果の保証ではなく、自分の計画を調整する記録として使いましょう。
合格率が高い回を選ぶ方がよいですか?
合格率が高い回を選ぶ方がよいですか?
過去の合格率から、次に受ける回の受かりやすさを予測することはできません。公式の2026年第4回オンライン試験の発表では、受験者9,241人に対し合格者7,677人です。人数から算出すると約83.1%ですが、これはその回の受験者全体の結果であり、自分の合格確率ではありません。受験者の準備状況も異なるので、別の年の数字を並べて「簡単になった」と結論づけるのは避けた方がよいでしょう。
日程は、まとまった復習時間を確保できるか、仕事や学校の予定と重ならないかで決める方が実践的です。すでに解いた問題で高得点が出ても、理由を説明できないものが多いなら、初めて見る問題にも取り組んで理解を確かめます。発表資料を読む際は、年、開催回、オンラインか会場かを確認してください。同じG検定でも別集計を混ぜると判断を誤ります。結果の数字は試験全体を知る参考にとどめ、自分の復習では誤答の種類と未学習分野の減り方を見る方が次の行動につながります。
合格後は転職や副業にどうつなげますか?
合格後は転職や副業にどうつなげますか?
応募書類には、合格した年と回が分かる形でG検定の取得を記載し、別に学習後の行動を添えます。例えば「問い合わせ分類の試作で、誤判定した文面を分析して確認手順を改善した」と説明できれば、用語を学んだことと課題に取り組んだことを区別して伝えられます。実際には試作していないのに導入実績のように書く必要はありません。架空データを使った学習であることを明記し、何を考え、何がまだできないかも率直に説明しましょう。
進む方向は、企画や業務改善を担当したいのか、データを扱う実装を担当したいのかで分かれます。前者なら業務の流れと効果測定、後者ならPythonやデータの前処理などを次に学ぶと目的が明確になります。資格があるだけでAIエンジニアへの転職や副業収入が決まるわけではありません。未経験IT転職の準備で応募先に必要な経験を整理し、自分が示せる成果物との間に何が足りないか確認してください。次の資格名を先に決めるより、希望する仕事の作業を一つ経験してみることが役立ちます。
公式情報の確認日:2026年9月20日。
