データベーススペシャリストを目指すなら、用語の暗記に加え、業務の条件を表の関係やSQLへ変え、その理由を説明する練習が必要です。SQLの基礎を学んだ人や、設計・運用へ仕事の幅を広げたい人に向けて、受験計画と勉強法を整理します。
2026年度後期の受験は2027年2~3月です。「例年10月」という古い日程では準備せず、以下の科目別スケジュールを確認してください。
2026年度データベーススペシャリスト試験の受験計画
2026年度のDB試験は後期のCBT方式で、実際の受験期間は2027年に設定されています。旧来の秋期一日受験と混同せず、科目別の日程と学習の出発点を確認しましょう。
| 受験期間 | 2027年2月20日~3月2日 |
|---|---|
| A-1 | 50分/四肢択一30問・全問解答 |
| A-2 | 40分/四肢択一25問・全問解答 |
| 基準点 | 各100点満点中60点 |
| 主な準備 | 広い基礎知識・専門用語。A-1免除は条件を確認 |
| 受験期間 | 2027年3月16日~3月28日 |
|---|---|
| B-1 | 90分/記述式3問から2問解答 |
| B-2 | 120分/記述式2問から1問解答 |
| 基準点 | 各100点満点中60点 |
| 主な準備 | 業務条件の読解・データ設計・根拠のある記述答案 |
申込と科目A群・科目B群の受験日を分けて管理する
IPAが公表した2026年度後期のDB試験は、申込受付が2027年1月27日から2月27日、科目A-1・A-2の実施期間が2月20日から3月2日、科目B-1・B-2が3月16日から3月28日です。会場に用意されたパソコンで受験する方式であり、自宅からいつでも受けられる試験ではありません。申込みでは科目A群と科目B群を同時に予約するため、片方の日程だけを確保して準備を終えないようにしましょう。受験手数料は7,500円(税込)です。
予定表には、申込開始日、選んだ二つの受験日、本人確認や会場案内を確認する日を分けて記入します。受験できる日時は会場の空席によって変わるので、希望日を一日だけに絞らず、仕事や家庭の予定と両立する日を考えておくと安心です。科目B群の成績照会は2027年5月頃、後期の合格発表は6月頃の予定とされています。受験直後に最終合否が分かる前提で、会社への資格申請や応募書類の提出日を組まないよう注意してください。
四つの科目と合格基準から学習の配分を決める
科目A-1は50分・30問、A-2は40分・25問で、どちらも四肢択一です。科目B-1は90分で三問から二問、B-2は120分で二問から一問を選び、記述式で解答します。DBは各科目100点満点中60点が基準で、免除を受ける科目を除き、必要な科目すべてで基準を満たす必要があります。得意分野で高得点を取れば、苦手科目の不足を合計点で補えるという仕組みではありません。公式要綱では問題の難易差により基準点を変更する場合も示されています。
準備の最初に、公開過去問題を一回分読み、知識問題と記述問題で何に困るかを把握します。A-2の用語は分かるのにBの設問に答えられないなら、暗記量よりも業務条件をモデルや答案に変える練習が必要です。A-1の免除を使える人も、他の科目の対策が免除されるわけではありません。旧教材の午前Ⅰ・Ⅱ、午後Ⅰ・Ⅱは、それぞれA-1・A-2、B-1・B-2に対応します。科目名の変更と出題形式の変更を混同せず、教材を読み替えて活用しましょう。
未経験者はSQLとデータ設計の基礎を先に確かめる
DB試験は、単にSQLの文法を覚える試験ではありません。利用者の要求を読み、データの構造や制約を考え、信頼性や効率を含めて設計・運用を判断する専門的な内容を扱います。初めてデータベースに触れる人は、表、主キー、外部キー、結合、トランザクションを説明できるかを確認してください。用語の説明を読むたびに止まる状態なら、受験日から逆算して過去問を大量に解くより、小さなデータを扱って基礎を固める方が進めやすくなります。
IT全般の基礎が不足している場合は基本情報技術者の学習範囲、広い知識を整理したい場合は応用情報技術者の勉強法も参考になります。ただし、これらの合格をDBの受験資格として要求するものではありません。Oracle製品の管理操作を学ぶ目的なら、Oracle Master Bronzeとの違いを確認します。目指す仕事が設計、製品運用、分析のどれかによって、先に学ぶ内容を決めましょう。
設計・SQL・記述答案をつなぐ勉強法
知識を覚えた後は、問題文の条件をデータ構造と操作へ落とし込む練習が必要です。個人学習では、身近な業務を小さくモデル化し、その判断理由を文章で説明してみましょう。
注文管理を例に主キーと表の関係を考える
独自の練習例として、顧客が商品を注文する小さな仕組みを考えます。一つの注文に複数の商品が入り、同じ顧客が何度も注文できるという条件なら、顧客、商品、注文、注文明細をどのように分けるかを書き出しましょう。それぞれの行を一意に識別する項目と、別の表との対応を示す項目を決めます。名称が同じ商品や同姓同名の顧客が存在しても区別できるかを確認すると、名前だけをキーにしてよいかを判断する練習になります。
次に、「商品の価格が後日変わっても、過去の注文金額を変えない」という条件を追加します。現在の商品価格だけを参照する設計で要件を満たすか、注文時点の価格をどこに持つかを考えてください。正規化の定義を覚えるだけでなく、更新時に不整合が生じる場面を具体的に挙げることが重要です。問題文にない条件を勝手に追加せず、読み取った業務規則と設計上の判断を分けてメモします。この区別をつけると、過去問でもどの記述を根拠に関係や制約を決めたかを説明しやすくなります。
SQLは結果を予想してから小さなデータで確かめる
SQLの練習は、実行前に「どの行が何行返るか」を考えるところから始めます。顧客三人、注文数件のような手で確認できるデータを用意し、結合と集計の結果を予想してください。注文のない顧客、同じ日に複数注文した顧客、値が未設定の項目などを加えると、普段は見落としやすい条件を試せます。INNER JOINとLEFT JOINで結果が変わる理由、WHEREとHAVINGで絞り込む対象が違うことを、結果の差として理解しましょう。
集計値が想定より大きいときは、式だけでなく結合によって行が増えていないかを調べます。件数が正しくても、求める対象が「注文数」なのか「購入した顧客数」なのかで必要な処理は異なります。誤答ノートにはSQL全文だけでなく、前提のデータ、期待した結果、実際の結果、修正理由を残してください。練習用データは自分で作り、会社や顧客のデータを使う必要はありません。使用するDBMSの公式マニュアルも確認し、製品固有の構文と一般的な考え方を区別して学びます。
記述答案は根拠と結論を対応させて復習する
記述問題では、知っている一般論を多く書くより、設問が求める対象に答えることが大切です。まず「理由」「項目名」「問題点」「対策」のどれを聞かれているかを確認し、問題文の根拠になる箇所に印を付けます。例えばロックに関する設問なら、誰がどのデータをどの順序で扱うのかを整理してから答えを作ります。用語だけを置くのではなく、その事例でなぜ不都合が起こるのかまでつながる文章にしましょう。
解答後はIPAの解答例と採点講評を読み、自分の答案に足りない条件を確認します。模範的な文章を丸ごと覚えるより、「主語が抜けた」「対象の表を取り違えた」「設問が要求した理由を説明していない」と原因を分類すると次に使えます。最初は時間をかけて一問を読み、慣れてから制限時間内に問題を選び、最後まで答える練習へ進みます。CBTに備えて、長文を画面で読み、キーボードで答案を入力する練習も取り入れてください。入力の速さだけでなく、設問と資料を行き来して条件を確認する習慣をつけます。
データベーススペシャリスト受験のよくある質問
制度変更の時期には、旧教材の説明と現在の受験条件を分けて読む必要があります。免除、当日の操作、取得後の使い方を確認し、準備の抜けをなくしましょう。
応用情報に合格していれば科目A-1は免除される?
応用情報に合格していれば科目A-1は免除される?
免除には対象となる合格時期などの条件があり、過去に応用情報へ合格していればいつでも使えるわけではありません。2026年度後期では、2024年度秋期、2025年度春期・秋期、2026年度前期の応用情報・高度試験・情報処理安全確保支援士試験の合格者などが対象として案内されています。高度試験等の午前Ⅰまたは科目A-1の通過を基に申請できる場合もあります。自分がどの条件に当てはまるか、IPAの対象者一覧で確認してください。
申込みの際は免除申請が必要なので、対象であることと自動的に免除されることを混同しないようにします。必要な情報を用意し、予約内容に免除が反映されているかも確認しましょう。2026年度前期の成績を使う場合は、後期申込前に成績を照会できる予定とされ、合格者の受験番号の官報公示日に適用が確定する条件も案内されています。該当する人は最新の受験案内を確認してください。免除が使えるか不明なまま、A-1の学習時間を完全に除いた計画を立てない方が安心です。
CBTになったら記述問題やメモはどう変わる?
CBTになったら記述問題やメモはどう変わる?
2026年度のCBT移行では、DBの記述式問題が選択式だけになるわけではありません。IPAは、問う知識・技能の範囲、出題形式、出題数・解答数、採点方式、配点、合格基準は変更しないと案内しています。試験画面の操作説明を確認し、画面で問題を読みながら答案を入力する準備をしてください。紙の過去問も内容理解の練習には使えますが、紙に書く方法だけに慣れたまま当日を迎えないことが大切です。
2026年9月17日更新の案内では、画面上のメモ・電卓機能に加え、入室時にメモ用紙一枚と筆記用具が配布され、終了後に回収されるとされています。自分で用意したメモ用紙や筆記用具は持ち込めません。旧案内にある「紙を使えない」という説明だけで判断しないようにしましょう。練習では、表の関係や処理の順序を短いメモに整理し、必要な条件を答案へ戻せるかを確かめます。持込物や操作の条件は、受験する回の案内を申込前と当日前に確認してください。
2027年度の制度変更や合格後の仕事はどう考える?
2027年度の制度変更や合格後の仕事はどう考える?
IPAは、現行試験制度を2026年度の実施で終了し、2027年度から新制度へ移行する予定と案内しています。ここでいう2026年度後期DBの受験日は2027年2~3月なので、暦年の2027年と2027年度を混同しないでください。この記事の日程や科目構成を、そのまま翌年度の試験へ当てはめることはできません。受験時期が先になる場合は、新制度の対象区分やシラバスを公式の見直し案内で確認してから教材と予定を決めましょう。
取得後は、資格名だけで設計や運用を一人で担当できると考えず、自分の経験を具体化します。学習で作ったモデル、SQL、要件と設計判断の対応表は、理解している範囲を説明する材料になります。実務がある人は、権限管理、性能改善、障害時の復旧など、実際に担当した役割を守秘義務の範囲内で整理してください。未経験者は個人演習と実務を分けて記載し、IT転職の準備とあわせて応募先の要求を確認します。資格取得による採用や高単価案件の受注を保証するものではありません。
公式情報の確認日:2026年9月25日。

