Linux Essentialsは、Linux Professional Institute(LPI)が提供する入門レベルのベンダーニュートラルな認定です。Linuxの基本操作、コマンドライン、ファイル権限、ネットワークの基礎、OSSの理念などを体系的に証明でき、IT未経験からの第一歩や、LPICや他ベンダー資格へ進むための基礎固めに最適です(有効期限は終身)。本記事では2025年8月時点の最新情報を基に、試験概要から勉強法、申込み手順、活用法までをEEATに沿って詳説します。
Table of Contents
Linux Essentials(ベンダー資格)とは
どんな目的向けか | 就職転職未経験からのキャリアチェンジ |
どんな職種向けか | システムエンジニアインフラエンジニアサーバーエンジニアネットワークエンジニア |
おすすめポイント | Linux Essentialsは、世界的に認知されているLPI(Linux Professional Institute)が提供する入門資格で、Linuxの基礎を体系的に学べる点が魅力です。IT未経験者でも理解しやすい内容で、Linux環境の操作や基本的なシステム概念を証明できるため、就職やキャリアチェンジの第一歩として有効です。 |
未経験者が取得にかかる学習時間 | 未経験者:約100〜150時間(Linux基礎知識習得+演習) IT実務経験者:約20〜30時間(基礎確認+模擬問題演習) |
総費用(教材+講習+試験料+更新料) | 教材費:2,000〜5,000円(参考書・問題集) 講習費:0円〜30,000円(独学の場合は不要、スクールや通信講座利用時は追加) 試験料:15,000円前後 更新料:不要 |
取得方法 | LPIが実施する「Linux Essentials」試験を受験し、合格することで取得できます。試験はコンピュータベーステスト形式で実施されます。 |
合格率 | 公式には非公開ですが、入門レベルのため一般的に60〜70%程度とされています。 |
試験実施場所 | 全国のPearson VUE試験会場(北海道、宮城、東京、神奈川、愛知、大阪、広島、福岡など各都道府県主要都市) |
どんな企業向けか | NTTデータ, 富士通, NEC, ソフトバンク, 楽天, リクルート, 日立製作所, Cisco Systems, IBM |
詳細情報 | 詳細はこちらをクリック |
Linux Essentialsは、LPIが定める「Linuxとオープンソースの基礎」を測る単一試験(010-160/現行バージョン1.6)で、合格すると終身有効の認定証が発行されます。内容はディストリビューションに依存せず、職務でLinuxを扱う前段階の素養や、次段階資格(LPIC-1など)に進むための基盤づくりに焦点があります。
Linux Essentials(ベンダー資格)試験の概要
試験方式
試験コードは010-160、40問を60分で解答します。形式は選択式を中心に基礎力を問う内容で、受験言語は日本語を含む複数言語に対応しています(テストセンター/オンライン)。
出題範囲
- Topic 1: The Linux Community and a Career in Open Source
- Topic 2: Finding Your Way on a Linux System
- Topic 3: The Power of the Command Line
- Topic 4: The Linux Operating System
- Topic 5: Security and File Permissions
各トピックはさらに目的領域(Objectives)に細分化され、重み付け(weight)に応じて出題比率が決まります。学習時は公式Objectivesのキーワードと使用コマンドの一覧を必ず確認してください。
問題数・時間・合格基準点
問題数40、試験時間60分、スコアは200〜800点スケールで採点され、500点以上が合格です。
難易度・合格率
最新の合格率データ
LPIは公式に合格率を公開していません。難易度は基礎レベルで、Linuxの基本操作とOSSの理解があれば十分に狙えます(合格基準は500/800点)。
初学者でも合格可能な理由
- 単一試験・60分・基礎領域に特化(実務未経験でも学びやすい)
- 公式Learning Materialsや無償教材が充実(後述)
- 試験はベンダーニュートラルでディストリ間の差異に引きずられにくい
特に公式Objectivesと無料のLearning Materialsを併用し、コマンドの基本(ls/cp/mv/rm、リダイレクト、パーミッション等)を反復すれば到達可能です。
他資格との比較
資格 | 位置づけ | 試験構成 | 有効期限 | 主な特徴 |
---|---|---|---|---|
Linux Essentials(LPI) | 入門・基礎 | 1試験/40問・60分/合格500/800 | 終身 | ベンダーニュートラル。LPICトラックの入口。 |
LPIC-1(LPI) | 実務初級〜中級 | 2試験(101/102)各90分・各60問 | 5年 | より実務的な管理タスクを広く問う。 |
CompTIA Linux+(XK0-006, V8) | 実務初級〜中級 | 最大90問/90分/合格720/900 | 3年(CEで更新) | パフォーマンスベース含む。更新はCEUで3年ごと。 |
受験するメリット
- 就職
- 転職
- スキルアップ
- 年収アップ
- 未経験からのキャリアチェンジ
- 副業/フリーランス
就職・転職では、ITサポート、ヘルプデスク、初級インフラ運用などで基礎素養の証明として有効です。Linux経験の入口として企業側の評価軸になりやすく、面接で学習過程やハンズオンの実績と合わせて示すと効果的です。
スキルアップ・年収アップの観点では、認定後にLPIC-1やLinux+など上位/並列資格へ進むことで職務範囲を広げ、給与テーブルや職能等級の要件を満たしやすくなります。
未経験からのキャリアチェンジや副業/フリーランスでは、VPS運用、Webサーバー構築、簡易の自動化スクリプト作成などの案件と相性がよく、学習成果をポートフォリオとして可視化しやすいのが強みです。
勉強方法・対策
勉強時間の目安
未経験〜基礎レベルのPCスキルから合格までの目安は40〜80時間、すでにコマンドラインやUNIX経験がある場合は20〜40時間程度が一般的なレンジです(個人差あり)。短期集中の場合でも毎日コマンド演習の手を止めないことが最重要です。
独学と講座の選び方
- 独学中心:公式Objectives+Learning Materialsで範囲を網羅し、手元のLinux環境(WSL2/VM)で再現。
- 講座併用:学習計画の外部化・質問環境を重視。基礎の定着と試験対策の両輪を設計。
公式Learning Materials(無償)とObjectivesは必ず一次情報として用い、講座・書籍は補助的に活用します。
アプリや問題集の活用法
練習問題は「出題領域の穴埋め」に使い、正答暗記ではなく「公式Objectivesのどの項目に紐づくか」を必ず対応づけて復習します。市販の問題集やオンライン模試は品質に差があるため、一次情報(Objectives/Learning Materials)に必ず立ち返って整合を取りましょう。
おすすめ参考書・教材
初学者向けテキスト
- LPI Learning Materials(無償):試験範囲と直結した一次教材。章末演習で理解を確認。
- Linux標準教科書(無償):LinuC向けに整備された入門教材だが、Linux基礎の概念整理に有用。
過去問対策アプリ・問題集
- 各種オンライン模試や演習コース(例:Udemyの「Linux Essentials 1.6 模擬問題集」など)。利用時はObjectivesと照合して誤学習を防ぐ。
通信講座・オンライン講座
- NDG Linux Essentials(Cisco Networking Academy):実践的ラボを含む基礎講座。
試験申し込み方法・日程
受験申し込み手順
- LPIアカウントを作成し「LPI ID」を取得(必須)。
- Pearson VUEに登録し、LPI IDを紐づけて試験を予約(テストセンター/オンライン)。
- (任意)LPI Marketplaceでバウチャーを購入後に予約へ利用。
試験会場と日程
国内のPearson VUEテストセンターで随時実施。オンライン監督「OnVUE」でも日本語UIで受験可。本人確認・動作要件は公式の案内に従ってください。
受験料
日本の受験料は13,000円(消費税別)。国・通貨ごとに異なるため公式の価格表で最新額を確認してください(2024年7月22日更新の価格表に日本円記載)。
合格後の活用方法
就職活動での活用
職務要件に「Linux基礎理解」や「UNIX系OS取扱い」等がある求人での足がかりに。履歴書/職務経歴書には、学習環境(WSL2/VM)での構築・操作経験や、スクリプト化・権限設定などの具体例を併記しましょう。
社内評価・資格手当
評価制度で基礎資格の保有が加点対象となる企業では、資格手当や昇給要件の一部を満たす材料になります。あわせてLPIC-1やLinux+へのステップアップ計画を提示すると、配属・役割拡張の検討材料になりやすいです。:contentReference[oaicite:22]{index=22}
次のステップ(上位資格)
- LPIC-1 → LPIC-2 → LPIC-3(プロフェッショナルトラック)
- Essentialsファミリー(Security Essentials / Web Development Essentials / Open Source Essentials)で基礎領域を水平展開
LPICは各レベルが5年有効、Essentialsは終身。目的に応じて実務寄り(LPIC)または基礎強化(Essentialsファミリー)を選択しましょう。
よくある質問(FAQ)
Q. 合格点は?再受験の待機期間は?
A. 合格は500/800点。不合格時は初回不合格後7日待機、2回目以降は14日間隔などの再受験ポリシーが定められています(詳細は公式規定を参照)。
Q. オンライン受験は日本語で可能?
A. OnVUEは日本語対応で受験できます。最新要件と対応状況はPearson VUEのLPI OnVUEページで確認してください。
Q. 学習は何から始めれば良い?
A. まずObjectivesを読み、Learning Materialsの該当章を演習。次に自分の端末(WSL2/VM)でコマンド実行→誤りや曖昧な点をObjectivesに戻って補完、のループが効率的です。
Q. 受験料はどこで確認できますか?
A. LPIの公式「Exam Pricing」で国別・通貨別に最新料金が公開されています。日本は13,000円(税別)が掲載されています。
まとめ
Linux Essentialsは、Linuxの基礎力とOSSリテラシーを終身で証明できる実用的な入門認定です。まずは公式Objectivesで範囲を把握し、Learning Materialsと手を動かす演習で定着→模擬で弱点補強→Pearson VUEで予約、という王道の流れで合格を目指しましょう。合格後はLPIC-1やEssentialsファミリーへ進み、キャリアの選択肢を広げてください。