「Python 3 エンジニア認定基礎試験(民間資格)」は、Pythonの基本文法と標準ライブラリの要点を、公式テキストに沿って客観的に証明できる国内資格です。経済産業省のITスキル標準(ITSS)およびDX推進スキル標準(DSS-P)にレベル1として掲載されており、学習〜受験〜活用の道筋が明確で、初学者の最初の到達点として適しています。
どんな目的向けか | 就職転職年収アップ副業未経験からのキャリアチェンジ |
どんな職種向けか | システムエンジニアプログラマーWebエンジニアデータサイエンティストAIエンジニア |
おすすめポイント | PythonはAI、機械学習、Web開発、データ分析など幅広い分野で活用されており、本試験はその基礎を体系的に学んだ証明になります。未経験者でも学習を通して実務で使えるスキルを習得でき、就職や転職時に基礎力を客観的に示せるのが魅力です。 |
未経験者が取得にかかる学習時間 | 未経験者:約150〜200時間(Python文法の理解 80時間+演習問題 70時間+模擬試験 50時間) IT実務経験者:約20〜50時間(Python文法の復習 10時間+演習問題 20時間+模擬試験 10時間) |
総費用(教材+講習+試験料+更新料) | 教材費:1,000〜5,000円(参考書・問題集) 講習費:0円〜30,000円(独学なら不要、通信講座やスクール利用で追加) 試験料:11,000円(税込) 更新料:不要 |
取得方法 | 全国のCBT試験会場(オデッセイテスティングセンターなど)で受験し、合格点を取れば認定資格を取得できます。 |
合格率 | 約70% |
試験実施場所 | 北海道、宮城、東京、神奈川、埼玉、千葉、愛知、大阪、京都、兵庫、広島、福岡など全国のオデッセイCBTセンター |
どんな企業向けか | NTTデータ, 富士通, NEC, ソフトバンク, 楽天, リクルート, サイバーエージェント, LINEヤフー, Google, Amazon, Microsoft |
詳細情報 | 詳細はこちらをクリック |
Table of Contents
Python 3 エンジニア認定基礎試験(民間資格)とは
一般社団法人Pythonエンジニア育成推進協会が主催する、Pythonの文法基礎を測る選択式CBT試験です。ITSS「ソフトウェアディベロップメント/応用ソフト レベル1」およびDSS-Pの一部職種に掲載されていることから、企業の人事評価の物差しとしても活用されています。
Python 3 エンジニア認定基礎試験(民間資格)試験の概要
試験方式
- 方式:CBT(コンピュータ試験・選択式)/全国のオデッセイCBTテストセンターで通年実施。
- 申込:オデッセイの会場検索→各会場に申込→当日受験(Odyssey IDの事前登録が必要)。
- 当日:写真付き身分証明書を持参。試験直後に合否判定と結果レポートが交付され、合格者はWeb上で照会可能。
出題範囲
主教材はオライリー・ジャパン『Pythonチュートリアル 第4版』。章ごとの出題比率が公開されており、重要章は「制御構造ツール(22.5%)」「データ構造(17.5%)」「気楽な入門編(15.0%)」などです。
章 | 主題 | 出題率 |
---|---|---|
3章 | 気楽な入門編 | 15.0% |
4章 | 制御構造ツール | 22.5% |
5章 | データ構造 | 17.5% |
8章 | エラーと例外 | 10.0% |
10章 | 標準ライブラリめぐり | 10.0% |
その他 | モジュール/入出力/クラス 等 | 合計40問で100% |
問題数・時間・合格基準点
- 問題数:40問/試験時間:60分/合格基準:正答率70%(28問以上)。
難易度・合格率
最新の合格率データ
主催団体の公開データでは、基礎試験の合格率は76.0%(2024年3月公表)。民間の解説記事でも概ね「75〜80%」のレンジで報じられています。
初学者でも合格可能な理由
- 出題範囲が公式テキストに明示され、章別の配点も公開されている。
- 公式問題集と、協会認定の無料模擬試験が複数提供されている。
- 受験は通年・全国CBTで、学習計画に合わせて柔軟に日程調整できる。
他資格との比較
資格 | 主催 | 主な内容・レベル | 方式 | 目安 |
---|---|---|---|---|
Python 3 エンジニア認定基礎試験 | Pythonエンジニア育成推進協会 | 文法基礎/ITSS・DSS-Pレベル1掲載 | 国内CBT(オデッセイ) | 合格率76%(公表値) |
Python 3 エンジニア認定実践試験 | 同上 | 実践的仕様・ライブラリ | 国内CBT | 合格率48.6%(公表値) |
OpenEDG PCEP/PCAP | Python Institute(国際) | PCEP(入門)/PCAP(アソシエイト) | オンライン・Pearson VUE | PCAP:40問・70%合格(例) |
受験するメリット
- 就職:ITSS/DSS-P掲載で、履歴書や職務経歴書で知識証明として提示しやすい。合格者はWeb照会で第三者が確認可能。
- 転職:章配点が公開されており、学習の抜け漏れを防ぎながら基礎力を可視化できる。
- スキルアップ:公式問題集・認定模試で弱点潰しがしやすい。
- 年収アップ:主催団体の調査では、資格手当の付与が「基礎試験で27.6%」と報告。交渉材料になりうる。
- 未経験からのキャリアチェンジ:受験者の約3〜4割が業務未経験層というデータがあり、最初の資格として選ばれている。
- 副業/フリーランス:合格者照会の仕組みで、顧客への信頼性担保がしやすい。
勉強方法・対策
勉強時間の目安
- 他言語経験者・基礎素養あり:10〜20時間が目安。
- 完全初学者:30〜40時間(基礎のインプット+模試演習)。
独学と講座の選び方
- 独学:公式テキスト→章別要点ノート→認定模試で弱点補強、の流れが最短。
- 講座:協会の「認定スクール」や、KIYOラーニングの合格コースなどを活用。価格やカリキュラムの公開度で比較。
アプリや問題集の活用法
- 公式問題集『徹底攻略Python 3 エンジニア認定[基礎試験]問題集』で頻出テーマを網羅。
- 認定の無料模擬試験(PRIME STUDY/DIVE INTO EXAM/PyQなど)で実戦形式の反復。
- なお、公式の過去問公開はありません。模擬試験と問題集の併用が実務的です。
おすすめ参考書・教材
初学者向けテキスト
- 『Pythonチュートリアル 第4版』(主教材)
- 『いちばんやさしいPythonの教本 第2版』『スラスラわかるPython 第2版』『Pythonスタートブック[増補改訂版]』(未経験者向けの導入本として協会が紹介)
過去問対策アプリ・問題集
- 『徹底攻略Python 3 エンジニア認定[基礎試験]問題集』(インプレス)
- 認定模試(PRIME STUDY/DIVE INTO EXAM/PyQ)
通信講座・オンライン講座
- STUDYing「Python3エンジニア認定基礎試験 合格コース」(目安:4,950円)
- 各種「認定スクール」の講座(企業研修〜個人向けまで)
試験申し込み方法・日程
受験申し込み手順
- 会場検索から受験会場を選び、会場に直接申し込み・受験料支払い(会場により方法・期日が異なる)。
- Odyssey IDを登録(無料)。
- 試験当日は「Odyssey ID」「写真付き身分証明書」を持参して受験。
試験会場と日程
- 全国のオデッセイCBTテストセンターで通年実施。会場カレンダーから空き枠を確認。
受験料
- 一般:11,000円(税込)/学割:5,500円(税込)。学割は学生証または教員証の提示が必要。
合格後の活用方法
就職活動での活用
履歴書・職務経歴書に記載し、面接では章別配点の高い領域(制御構造・データ構造・例外)の理解を具体例で示すと効果的。採用側はWeb照会で合格確認ができます。
社内評価・資格手当
協会公表データでは、資格手当の付与率は基礎試験で27.6%。評価制度に紐づく会社では即効性が期待できます。
次のステップ(上位資格)
- 横展開:Python 3 エンジニア認定データ分析試験(同じレベル帯、領域違い)。
- ステップアップ:Python 3 エンジニア認定実践試験(難度上昇)。
- 国際資格:OpenEDGのPCEP/PCAP(Pearson VUE/オンライン)で海外向けの通用性を補完。
よくある質問(FAQ)
- 有効期限はありますか?→設けていません(無期限)。新バージョン登場時は新試験の受験が推奨されています。
- 過去問はありますか?→公式の過去問公開はありません。公式問題集と認定模試を活用します。
- 再受験ルールは?→3回目以降は前回から7日(168時間)空ける必要があります。
- 学生割引の条件は?→学生証・教員証の提示が必要です(対象教育機関の定義あり)。
まとめ
本試験は、出題範囲の透明性・教材の充実・通年CBTの三拍子が揃い、初学者の「最初のPython資格」として合理的です。最新の章別配点に合わせて重点学習し、公式問題集と認定模試で仕上げれば合格は十分に狙えます。詳細・最新情報は必ず公式ページ(試験概要・会場カレンダー・受験料・模試案内)をご確認ください(本記事は2025年8月24日時点の公表情報に基づく)。