「Webクリエイター能力認定試験(サーティファイ)」は、HTML/CSSの実務スキルを中心に、効率よく学習し短期間で合格を目指せる民間資格です。2024年度の平均合格率は91.8%と公表されており、初学者の入門資格としても適しています。合格者にはオープンバッジ(デジタル認定証)が交付され、就職・転職時の客観的なスキル証明として活用できます。
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Webクリエイター能力認定試験(民間資格)とは
サーティファイ Web利用・技術認定委員会が主催するWeb制作スキル認定試験です。等級は「スタンダード」と「エキスパート」の2区分。実技(コーディング)に重きを置き、エキスパートでは知識問題(多肢選択)も課されます。合格基準は、スタンダード=実技65%以上、エキスパート=知識+実技の合計65%以上です。
どんな目的向けか | 就職転職未経験からのキャリアチェンジ副業 |
どんな職種向けか | Webデザイナーマークアップエンジニアフロントエンドエンジニア(初級)コーダーWebディレクター(アシスタント)UI/UXデザイナー(入門)ECサイト運用(コーディング担当) |
おすすめポイント | リモートWebテストで自宅受験ができ、出題は実務ワークフロー(ワイヤーフレーム→カンプ→実装)に沿っており、HTML/CSS中心にマルチブラウザ配慮や知識+実技の両面で評価。学習時間(スタンダード24時間/エキスパート38時間)や最新の平均合格率(2024年度:91.8%)が公式に明示されていて計画が立てやすい。 |
未経験者が取得にかかる学習時間 | 未経験者:スタンダード合格まで約24時間+エキスパート追加約38時間(合計約62時間) IT実務経験者:スタンダード0〜10時間(形式慣れ・模試中心)、エキスパート約38時間が目安。 |
総費用(教材+講習+試験料+更新料) | 教材費:2,145〜3,080円(公式問題集・公式テキスト) 講習費:0円(独学)〜19,800円(オンライン講座例)〜72,600円(スクール対策講座例) 試験料:スタンダード6,100円/エキスパート7,700円 更新料:不要(合格後はデジタル認定証[オープンバッジ/認定証明書]が付与) |
取得方法 | 資格受付ONLINEで受験申込→公式教材等で学習→指定時間帯に自宅(リモートWebテスト)または認定会場で受験→基準(65%以上)到達で合格。 |
合格率 | 91.8%(2024年度平均) |
試験実施場所 | リモートWebテスト(自宅等)/全国のサーティファイ随時試験会場(都道府県単位)— 北海道、青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、富山県、石川県、福井県、山梨県、長野県、岐阜県、静岡県、愛知県、三重県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県、鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県、徳島県、香川県、愛媛県、高知県、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県。 |
どんな企業向けか | 楽天グループ, LINEヤフー, サイバーエージェント, GMOインターネット, メルカリ, リクルート, DeNA, サイボウズ, ソフトバンク, NTTデータ |
詳細情報 | 詳細はこちらをクリック |
Webクリエイター能力認定試験(民間資格)試験の概要
試験方式
個人受験は「随時試験(認定会場で実施)」と「公開試験(年2回のリモートWebテスト)」の2方式。実施形態はCBT/WBT/リモートWebテスト(オンライン監督:AI+人)に対応しています。
出題範囲
スタンダードは「HTML5の変換・作成/CSSの読込と作成/画像表示」など、4ページ程度のサイト構築。エキスパートは「デザインカンプ読解/HTML+CSS/JavaScript読込/レスポンシブ対応」など、基本1テーマ(約6ページ規模)を制作します(知識問題はカンプ/文章設問)。
問題数・時間・合格基準点
時間:スタンダード60分(随時試験でテキストエディター使用時は70分)、エキスパート110分(同110分/90分の区分あり)。知識問題はエキスパートのみ4択×20問(20分)。合格基準は得点率65%以上です。
難易度・合格率
最新の合格率データ
公式発表の最新データでは、2024年度平均合格率が91.8%、累計受験者数は200,460名(2025年3月31日時点)です。
初学者でも合格可能な理由
公式が提示する学習時間の目安は、スタンダード24時間、エキスパート38時間。出題形式が実務寄りで、公式サンプル問題や公式問題集が提供されているため、効率的に合格点(65%)へ到達しやすい設計です。
他資格との比較
- Webデザイン技能検定(国家資格)
厚生労働省所管の技能検定で、1〜3級。指定試験機関(インターネットスキル認定普及協会)が実施し、受検資格・等級制度がある国家検定です。実務経験や等級別要件が設定されます。
- HTML5プロフェッショナル認定資格(民間/LPI-Japan)
レベル1・2の2段階。Web標準・HTML5/JS/APIなどの深い知識を筆記中心で問うベンダーニュートラル資格で、Pearson VUEを通じたCBTで実施。
実務で「まず作品を作れる」ことを示したい初学者には、本試験(サーティファイ)が取り組みやすく、国家資格や上位知識系資格はキャリア段階に応じて併用・追加取得するのが一般的です。
受験するメリット
- 就職
デジタル認定証(オープンバッジ)により、履歴書・SNS・ポートフォリオで客観的なスキル証明が可能。新卒・既卒の実務未経験でも評価材料になります。
- 転職
制作会社/事業会社のWeb担当志望で、基礎コーディング力の裏付けとして有効。面接でのアピールにも使えます。
- スキルアップ
デザインカンプ読解〜HTML/CSS実装〜レスポンシブ対応まで一連の制作プロセスを体系的に習得できます。
- 年収アップ
職務経歴書上のスキル証明として評価・単価交渉の土台に。関連資格と組み合わせると一層有利です。
- 未経験からのキャリアチェンジ
高い合格率と明確な到達目標(65%)でロードマップを描きやすく、ポートフォリオ制作と相性が良い資格です。
- 副業/フリーランス
名刺・サイトに資格ロゴ(デジタル証)を掲示でき、受注時の信頼獲得に寄与します。
勉強方法・対策
勉強時間の目安
スタンダード:目安24時間/エキスパート:目安38時間。短期集中の学習計画を立て、週10〜15時間の学習で2〜4週間を目標にすると効率的です。
独学と講座の選び方
独学は公式サンプル問題→公式問題集→通し演習の順で。短期合格や未経験者は動画・通学・通信講座を補助的に併用すると定着が早まります(いずれも公式教材に準拠)。
アプリや問題集の活用法
本試験と同形式のサンプルデータで通し演習→自己採点→弱点洗い出しのPDCAを回します。公式サイトの「サンプル問題」「問題集」、スマホ向け「模擬検アプリ」への導線が用意されています。
おすすめ参考書・教材
初学者向けテキスト
公式問題集(スタンダード/エキスパート)。図解・手順が丁寧で、試験範囲に準拠。まずはスタンダード問題集で基礎固めがおすすめです。
過去問対策アプリ・問題集
公式「サンプル問題(HTML5対応版)」で形式に慣れ、タイムトライアルを繰り返す→公式問題集で分野別に仕上げる→模擬検(アプリ)で直前総仕上げの順が効率的です。
通信講座・オンライン講座
独学で伸び悩む場合は、コーディング添削・課題提出がある講座を検討。公式教材準拠かを確認しましょう。(各社の最新カリキュラムは受講前に要確認)
試験申し込み方法・日程
受験申し込み手順
公開試験:資格受付ONLINEでアカウント作成→マイページから申込・支払い。随時試験:認定会場へ直接申込(会場により支払い方法・締切が異なる)。
試験会場と日程
随時試験:全国の認定会場で実施。公開試験:年2回(例:第7回 2025/7/6・第8回 2026/1/18)でリモートWebテスト実施。
受験料
スタンダード:6,100円(税込)/エキスパート:7,700円(税込)。
合格後の活用方法
就職活動での活用
履歴書・職務経歴書・ポートフォリオにデジタル認定証(オープンバッジ)を添付・掲載してスキルを可視化。SNS(LinkedIn等)でも共有可。
社内評価・資格手当
制作職・Web担当の評価基準として提示しやすく、資格手当の対象とする企業もあります(社内規定による)。
次のステップ(上位資格)
本試験エキスパート→(目的に応じて)HTML5プロフェッショナル、国家資格のウェブデザイン技能検定、同主催のPhotoshop/Illustrator クリエイター能力認定試験などの取得で専門性を拡張。
よくある質問(FAQ)
Q. 初学者でもどのくらいで合格できますか?
A. 公式目安はスタンダード24時間・エキスパート38時間。週10〜15時間の学習で2〜4週間を目安に計画しましょう。
Q. 試験当日に資料の持ち込みはできますか?
A. 実技は配布データを編集する方式です。タグの参照用リファレンスは事前ダウンロードの案内があり、会場で参照可能です(詳細は受験回の要項に従う)。
Q. 公開試験はどこで受けますか?
A. 自宅等からの「リモートWebテスト」です(AI+人による監督)。
Q. 受験資格はありますか?
A. 年齢・学歴等の受験資格制限はありません。
Q. 合格基準は?
A. スタンダード=実技得点率65%以上、エキスパート=知識+実技の合計得点率65%以上です。
Q. 合格証は紙でもらえますか?
A. 2022年4月以降はオープンバッジ(デジタル認定証)とデジタル認定証明書が交付されます。
まとめ
Webクリエイター能力認定試験は、実務寄りの実技中心で学習投資対効果が高い入門〜実践資格です。高い合格率(2024年度91.8%)と公式教材・サンプルの充実により、初学者でも短期合格を狙えます。就職・転職・副業での客観的なスキル証明(オープンバッジ)として活用しつつ、HTML5プロフェッショナルや国家資格のウェブデザイン技能検定などへステップアップすると、専門性と市場価値をさらに高められます。