【インターネット専門用語No.369】今更聞けない!RESTをサクッと解説

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この記事では、REST(Representational State Transfer)について、わかりやすく解説します。RESTは、ウェブサービスの設計原則であり、さまざまなアプリケーションでのデータ通信に広く利用されています。初心者でも理解しやすいように、具体的な例を交えて説明します。

RESTとは?

RESTは、ネットワーク上でリソースを扱うためのアーキテクチャスタイルです。クライアントとサーバー間でのデータ交換を効率的に行うための一連の原則と制約を提供します。RESTの特徴は、シンプルで直感的なHTTPプロトコルを利用することにあります。

わかりやすい具体的な例

たとえば、スマートフォンのアプリで天気情報を表示する際、アプリはREST APIを通じてサーバーからデータを取得します。ユーザーが地域を選択すると、その地域の天気データをリクエストし、サーバーはJSON形式で応答します。このプロセスがRESTの基本的な流れです。

graph TD; A[アプリ] -->|リクエスト| B[サーバー]; B -->|データを返す| A; style A fill:#f9f,stroke:#333,stroke-width:4px; style B fill:#bbf,stroke:#333,stroke-width:4px;

この例では、アプリがサーバーにデータをリクエストし、サーバーがそのデータを返すという流れが示されています。RESTは、HTTPを介して簡単にデータをやり取りできるため、広く使われています。

別の具体例として、オンラインショッピングサイトでは、商品情報を取得するためにREST APIが使用されます。ユーザーが商品の詳細ページにアクセスすると、その商品に関する情報がREST APIを介してサーバーから取得され、表示されます。この仕組みにより、リアルタイムで最新の情報を提供できます。

graph TD; A[オンラインショップ] -->|商品情報リクエスト| B[サーバー]; B -->|商品データを返す| A; style A fill:#f9f,stroke:#333,stroke-width:4px; style B fill:#bbf,stroke:#333,stroke-width:4px;

このように、RESTは多くのウェブアプリケーションで利用されており、ユーザーにとってシームレスな体験を提供します。

RESTはどのように考案されたのか

RESTは2000年にロイ・フィールディング(Roy Fielding)によって提唱されました。彼は、博士論文の中でRESTを定義し、従来のSOAP(Simple Object Access Protocol)に代わる新しいアプローチとして、より軽量で柔軟性のある通信方式を提供しました。RESTの設計は、ウェブの特性を活かし、リソース指向のアーキテクチャを実現するために考案されたものです。

graph TD; A[ロイ・フィールディング] -->|提唱| B[REST]; B -->|シンプルで直感的| C[アプリケーション]; style A fill:#f9f,stroke:#333,stroke-width:4px; style B fill:#bbf,stroke:#333,stroke-width:4px; style C fill:#ff9,stroke:#333,stroke-width:4px;

考案した人の紹介

ロイ・フィールディングは、カリフォルニア大学アーバイン校で博士号を取得したコンピュータ科学者です。彼の研究は、ウェブのアーキテクチャとその設計原則に重点を置いており、RESTの考案により、分散システムのコミュニケーションを効率化する道を切り開きました。また、HTTPの仕様策定にも関与しており、彼の業績は現代のウェブ技術に多大な影響を与えています。

考案された背景

2000年代初頭、インターネットの普及とともに、ウェブサービスの需要が高まりました。従来のSOAPでは複雑な操作が必要とされ、特にリソースの取得が難しかったため、よりシンプルなアプローチが求められました。RESTは、HTTPの特性を活かし、軽量なデータ通信を可能にすることで、様々なアプリケーションでの利用を促進しました。

RESTを学ぶ上でつまづくポイント

RESTを学ぶ際、多くの人が混乱するのは、リソースとエンドポイントの概念です。リソースは、サーバーが管理するデータのことを指し、エンドポイントはそのリソースにアクセスするためのURLです。これらの用語は特に初心者にとって理解しづらいですが、RESTの基本的な考え方を把握するためには重要なポイントです。

RESTの構造

RESTの構造は、主にリソース、HTTPメソッド、ステータスコードの3つの要素で成り立っています。リソースはURLで指定され、HTTPメソッド(GET、POST、PUT、DELETE)を使って操作されます。さらに、サーバーは操作結果をステータスコードで返すことで、クライアントは処理の成否を確認できます。

graph TD; A[リソース] -->|指定| B[URL]; B -->|操作| C[HTTPメソッド]; C -->|結果| D[ステータスコード]; style A fill:#f9f,stroke:#333,stroke-width:4px; style B fill:#bbf,stroke:#333,stroke-width:4px; style C fill:#ff9,stroke:#333,stroke-width:4px; style D fill:#ff6,stroke:#333,stroke-width:4px;

RESTを利用する場面

RESTは、特にモバイルアプリやウェブアプリケーションでのデータ通信に広く利用されています。

利用するケース1

例えば、ソーシャルメディアアプリでは、ユーザーの投稿やコメントを管理するためにREST APIが使用されます。アプリがサーバーにリクエストを送信すると、サーバーは最新の投稿データを返します。この流れによって、ユーザーはリアルタイムで他のユーザーの活動を確認できます。

graph TD; A[ソーシャルメディアアプリ] -->|投稿データリクエスト| B[サーバー]; B -->|投稿データ返却| A; style A fill:#f9f,stroke:#333,stroke-width:4px; style B fill:#bbf,stroke:#333,stroke-width:4px;

利用するケース2

オンラインバンキングアプリでは、ユーザーが残高や取引履歴を確認するためにREST APIが活用されています。ユーザーがアプリで情報をリクエストすると、サーバーはその情報を即座に返す仕組みになっており、これにより、ユーザーは自分のアカウント情報を簡単に管理できます。

graph TD; A[オンラインバンキングアプリ] -->|アカウント情報リクエスト| B[サーバー]; B -->|アカウント情報返却| A; style A fill:#f9f,stroke:#333,stroke-width:4px; style B fill:#bbf,stroke:#333,stroke-width:4px;

さらに賢くなる豆知識

RESTには、状態を持たない設計(ステートレス)が特徴としてあります。これは、サーバーが各リクエストを独立したものとして扱い、クライアントの状態をサーバー側で管理しないことを意味します。この設計により、サーバーはスケーラビリティが高く、負荷分散が容易になります。

あわせてこれも押さえよう!

RESTの理解において、あわせて学ぶ必要があるインターネット専門用語について5個のキーワードを挙げて、それぞれを簡単に説明します。

  • HTTP
  • HTTPは、ウェブ上でデータを送受信するためのプロトコルです。RESTはHTTPを利用してリソースにアクセスします。

  • API
  • APIは、アプリケーション同士が相互に通信するためのインターフェースです。REST APIは、RESTの原則に基づいて設計されたAPIです。

  • JSON
  • JSONは、データを軽量で扱いやすく表現するフォーマットです。REST APIでは、データのやり取りにJSONがよく使われます。

  • エンドポイント
  • エンドポイントは、リソースにアクセスするためのURLのことです。RESTでは、各リソースが独自のエンドポイントを持ちます。

  • クライアント
  • クライアントは、サーバーにリクエストを送信するアプリケーションやデバイスのことです。RESTは、クライアントとサーバー間の通信を扱います。

まとめ

RESTについての理解を高めることで得られるメリットは、ウェブサービスの設計や利用が効率的になることです。RESTを学ぶことで、APIの利用が容易になり、システムの柔軟性や拡張性が向上します。これにより、開発者はより良いアプリケーションを構築できるようになります。