【サーバーNo.106】今更聞けない!HTTP/2をサクッと解説

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このページでは、HTTP/2を知らない方にもわかりやすく説明しています。HTTP/2とは何か、そのメリットや利用シーンについて、具体的な例を交えながら解説しますので、ぜひご一読ください。

HTTP/2とは?

HTTP/2とは、従来のHTTP/1.1の次世代バージョンであり、ウェブページの表示速度を向上させるために設計された通信プロトコルです。HTTP/2では、複数のデータを同時に転送できる「マルチプレックス」機能や、データの優先度を設定する「ストリーム優先度」機能などが導入されており、より効率的な通信が可能になっています。

わかりやすい具体的な例1

例えば、ウェブサイトで大量の画像があるページを開く場合、HTTP/1.1では1つの画像をダウンロードするのに1つの接続が必要でした。しかし、HTTP/2では1つの接続で複数の画像を同時にダウンロードできるため、ページ全体の読み込み時間が大幅に短縮されます。これにより、ユーザー体験が向上し、特に画像や動画が多いサイトでは大きな効果を発揮します。

わかりやすい具体的な例2

もう一つの例として、HTTP/2ではサーバーからクライアントへ必要なリソースをプッシュする「サーバープッシュ」機能があります。これにより、クライアントがリクエストを送信する前に、必要なデータが自動的に送られてくるため、ページの読み込み速度がさらに向上します。この機能は、ウェブアプリケーションやインタラクティブなサイトで特に効果を発揮します。

HTTP/2はどのように考案されたのか

HTTP/2は、ウェブが進化する中で、より高速かつ効率的な通信が求められるようになり、HTTP/1.1の限界を補うために開発されました。特に、モバイルデバイスや高解像度コンテンツの普及に伴い、通信の最適化が急務となり、その解決策としてHTTP/2が考案されました。

考案した人の紹介

HTTP/2の開発には、多くのエンジニアが携わりましたが、その中心人物として知られるのがマーク・ノッティンガムです。彼はIETF(インターネット技術特別委員会)のHTTPbis作業部会の議長を務め、HTTP/2の標準化に大きく貢献しました。彼のリーダーシップのもと、HTTP/2は従来のHTTPの問題を解決し、インターネットの未来に大きな影響を与えました。

考案された背景

HTTP/2が考案された背景には、ウェブコンテンツの増加と、それに伴う読み込み速度の低下があります。従来のHTTP/1.1では、1つの接続で1つのリクエストしか処理できず、複数のリクエストが並行して行われる状況ではボトルネックが発生していました。これに対処するために、Googleが開発したSPDYプロトコルが基になり、HTTP/2が開発されました。

HTTP/2を学ぶ上でつまづくポイント

HTTP/2を学ぶ上で、多くの人がつまづくポイントの一つは、マルチプレックス機能です。従来のHTTP/1.1では、1つの接続で1つのリクエストが行われるため、並行処理の概念がないのに対し、HTTP/2では複数のリクエストを同時に処理するため、この概念を理解するのが難しいと感じる人が多いです。しかし、HTTP/2では、リクエストが並行して処理されるため、全体の効率が向上し、結果的にページの表示速度が速くなるという点を理解することが重要です。

HTTP/2の構造

HTTP/2は、従来のHTTP/1.1と同様にテキストベースのプロトコルですが、その通信方式は大きく異なります。HTTP/2では、全ての通信がバイナリフレームに分割されて行われ、それぞれのフレームはストリームIDによって管理されます。これにより、同時に複数のリクエストが行われても、各リクエストが独立して処理されるため、効率的な通信が可能です。

HTTP/2を利用する場面

HTTP/2は、特に大量のリソースを扱うウェブサイトや、リアルタイム通信が求められるウェブアプリケーションで効果を発揮します。また、モバイルデバイスでの利用においても、通信の効率化によるバッテリー消費の削減が期待できるため、広く導入されています。

利用するケース1

例えば、オンラインショッピングサイトでは、多くの画像やデータがページに含まれているため、HTTP/2のマルチプレックス機能を利用することで、商品画像や詳細情報を同時に読み込むことができ、ユーザーの待ち時間を短縮できます。また、サーバープッシュ機能を活用することで、カートに追加した商品情報などを即座に表示することが可能です。

利用するケース2

リアルタイムでデータのやり取りが必要なチャットアプリケーションでは、HTTP/2の低レイテンシー特性が重要です。HTTP/2を利用することで、メッセージの送受信が迅速に行われ、ユーザーは遅延を感じることなくスムーズなコミュニケーションを楽しむことができます。これにより、リアルタイム性が求められるアプリケーションでの採用が進んでいます。

さらに賢くなる豆知識

HTTP/2には「ヘッダー圧縮」機能が搭載されており、これによりデータ転送量が削減されます。従来のHTTP/1.1では、同じヘッダー情報が繰り返し送信されることが多く、無駄なデータ量が増加していましたが、HTTP/2ではHPACKという圧縮アルゴリズムを利用することで、この問題が解決されました。これにより、特にモバイル環境での通信効率が大幅に向上します。

あわせてこれも押さえよう!

  • HTTP/1.1
  • HTTP/1.1は、従来のHTTPプロトコルで、単一接続で1つのリクエストしか処理できない。

  • SPDY
  • SPDYは、Googleが開発したプロトコルで、HTTP/2の基礎となった。

  • TLS(トランスポートレイヤーセキュリティ)
  • TLSは、通信のセキュリティを確保するためのプロトコルで、HTTP/2との組み合わせで使用されることが多い。

  • クライアントサーバーモデル
  • クライアントサーバーモデルは、HTTP/2の通信における基本的な概念で、クライアントとサーバー間でデータのやり取りを行う。

  • WebSocket
  • WebSocketは、リアルタイム通信を可能にするプロトコルで、HTTP/2と同様に効率的なデータ転送を実現する。

まとめ

HTTP/2を理解することで、ウェブサイトの表示速度を向上させ、ユーザー体験を大幅に改善することができます。また、HTTP/2の機能を効果的に利用することで、効率的な通信が可能になり、サーバーリソースの最適化にも繋がります。特に、大量のデータを扱うウェブサイトや、リアルタイム通信が求められる場面で、そのメリットを最大限に活用できます。