【サーバーNo.543】今更聞けない!グローバルルーティングをサクッと解説

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この記事では、グローバルルーティングについて、初めて聞く方にもわかりやすく解説します。具体例や図解を交えながら、専門用語も丁寧に説明していますので、安心して読み進めてください。

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グローバルルーティングとは?

グローバルルーティングとは、インターネット上のすべてのネットワークで共通に使用されるルーティング方式のことを指します。世界中のネットワークが効率的に接続されるように、特定のルールに従ってデータの経路を決定する仕組みです。これにより、異なるネットワーク間でも正確にデータが届きます。

わかりやすい具体的な例

自宅から海外の友達の家に手紙を送る場合

graph TD A[手紙を書く] --> B[郵便局に持って行く] B --> C[国内の仕分けセンター] C --> D[国際便で海外の仕分けセンター] D --> E[友達の最寄り郵便局] E --> F[友達の家に配達] note over C,D: 仕分けのルールがグローバルルーティングの考え方

自宅から海外の友達の家まで手紙を届けるには、国内外の郵便局でルールに従って手紙が仕分けされ、正しいルートで届けられます。グローバルルーティングは、これと同じようにインターネット上でデータを届ける仕組みです。

飛行機の乗り継ぎで目的地に行く場合

graph TD A[出発空港] --> B[国内乗り継ぎ空港] B --> C[国際空港] C --> D[目的地空港] note over B,C: 乗り継ぎルールが経路選択の仕組み

目的地まで飛行機を何回も乗り継ぐ場合、それぞれの空港で決まったルールに従って次の便に案内されます。グローバルルーティングも、ネットワークの各地点で最適なルートを選びながらデータを届けます。

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グローバルルーティングはどのように考案されたのか

インターネットの発展に伴い、世界中のネットワークがつながる中で、各ネットワークが独自のルールで経路を決定していたため、接続が不安定になりやすい問題がありました。これを解決するために、統一的なルーティングルールが必要とされ、グローバルルーティングの概念が生まれました。特にBGP(Border Gateway Protocol)がその中核技術として登場し、世界規模の通信が安定する基盤を築きました。

graph TD A[複数ネットワーク] --> B[接続不安定] B --> C[統一ルールが必要] C --> D[BGPの登場] D --> E[安定した通信の実現] note over D,E: BGPはグローバルルーティングの標準プロトコル

考案した人の紹介

BGPを考案したのは、Yakov Rekhter氏とKirk Lougheed氏です。彼らは1990年代初頭に、インターネットの急速な拡大に対応するため、安定した経路制御が必要だと考えました。Rekhter氏はIBM、Lougheed氏はCiscoでルーティング技術に携わっており、両者の経験がBGP設計の基盤となりました。

考案された背景

1990年代、インターネットの商用利用が拡大し、各国のネットワークが接続され始めました。しかし、ルーティングの基準がバラバラで通信の不安定さが課題でした。これを解決するため、標準化されたプロトコルとしてBGPを中心としたグローバルルーティングが確立されたのです。

グローバルルーティングを学ぶ上でつまづくポイント

多くの人が混乱するのは「なぜBGPのような特別なプロトコルが必要なのか」という点です。ローカルルーティングはLAN内で完結しますが、インターネットのように無数のネットワークをまたぐと、ルールの統一が必要になります。BGPはAS(自律システム)という単位で経路を決めますが、ASの意味やその仕組みがわかりにくく感じる方が多いです。

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グローバルルーティングの構造

グローバルルーティングはAS(Autonomous System)間でBGPを通じて経路情報を交換し、最適なルートを決定します。各ASは独自のポリシーを持ちながら、インターネット全体としてデータの流れが効率的になるように設計されています。ルータ間でPrefix情報やルート属性が共有され、冗長性と安定性を確保します。

graph TD A[AS1] --> B[BGP経路情報送信] B --> C[AS2] C --> D[AS3] D --> E[目的ネットワーク到達] note over B,C,D: 各ASでポリシーに基づく経路選択が行われる

グローバルルーティングを利用する場面

インターネット全体の通信を安定・効率的に行う場面で活用されます。

利用するケース1

大手ISP(インターネットサービスプロバイダー)は、自社のネットワークを他のISPやデータセンターと接続する際、BGPを利用したグローバルルーティングを導入します。これにより、自社のトラフィックが最適なルートを通り、通信の遅延や障害を防ぎます。また、複数の経路を確保しているため、どこか一部のネットワークで障害が起きても迂回ルートが確保される仕組みです。

graph TD A[ISPネットワーク] --> B[BGP経路決定] B --> C[他ISP] B --> D[データセンター] D --> E[目的地へ] note over B,C,D: 複数経路を確保し冗長化を実現

利用するケース2

グローバル企業のデータセンター間接続にもグローバルルーティングは活用されます。アメリカ、ヨーロッパ、アジアにデータセンターを持つ企業は、各拠点間のデータ通信を最適化するためBGPを使用し、どのルートが最速・最安定かを常に選びます。これにより、ユーザー体験の向上や運用コスト削減が実現します。

graph TD A[アメリカDC] --> B[BGPで経路選択] B --> C[ヨーロッパDC] B --> D[アジアDC] C --> E[ユーザーへ配信] D --> E note over B,C,D: 常に最適な通信経路を選択

さらに賢くなる豆知識

グローバルルーティングでは経路ハイジャックと呼ばれる問題が存在します。悪意のあるASが誤った経路情報を広報し、トラフィックを盗聴・改ざんする可能性があるのです。これを防ぐため、RPKI(Resource Public Key Infrastructure)という認証技術も広く導入されつつあります。

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あわせてこれも押さえよう!

グローバルルーティングの理解において、あわせて学んでおくべき関連するサーバー技術を5つ紹介します。

  • DNSサーバー
  • インターネット上でドメイン名をIPアドレスに変換する役割を担っています。

  • プロキシサーバー
  • クライアントとインターネットの間に位置し、通信の中継やキャッシュを行うサーバーです。

  • ロードバランサー
  • 複数のサーバーに負荷を均等に分散し、システムの安定稼働を支えます。

  • ファイアウォール
  • ネットワークの境界で不正アクセスや攻撃を遮断する重要なセキュリティ装置です。

  • キャッシュサーバー
  • 頻繁にアクセスされるデータを一時保存し、レスポンスを高速化する仕組みです。

まとめ

グローバルルーティングを理解することで、世界中のネットワークがどのように安全かつ効率的につながっているかが見えてきます。日常のインターネット利用やビジネスのIT運用でも、ネットワークの仕組みが理解できることでトラブル時の対処力が向上します。これを機に、インターネットの裏側にある技術をしっかり押さえておきましょう。

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