Loco Translateを知らない方にもわかりやすくまとめた記事です。WordPressの翻訳作業を効率化するツールとして、どのような機能があり、どう活用できるのかを具体的に解説いたします。
Table of Contents
Loco Translateとは?
Loco Translateとは、WordPressのテーマやプラグインの翻訳を管理・編集できるプラグインです。WordPressの管理画面から直接.poや.moファイルを編集できるため、FTPソフトや外部ツールを使わずに翻訳作業を完結させることができます。
わかりやすい具体的な例
わかりやすい具体的な例1
たとえば、「Contact Form 7」というフォームプラグインを使っている場合、英語のメッセージが表示されることがあります。Loco Translateを使えば、その英語を自分で日本語に書き換えることができます。「Your message was sent successfully」を「メッセージが送信されました」に変更する、といった使い方です。
graph TD A[ユーザーがLoco Translateをインストール] --> B[翻訳したいプラグインを選択] B --> C[翻訳対象の文字列一覧が表示] C --> D[任意の文字列を編集して保存] D --> E[翻訳がすぐに反映] note right of D: .poファイルはPortable Objectの略。翻訳テキストを格納。 note right of E: .moファイルはMachine Object。実際にサイトに表示される。
このように、管理画面から翻訳を編集して保存するだけで、表示が即座に日本語になります。難しい設定も必要なく、初心者でも簡単に使えます。
わかりやすい具体的な例2
たとえば、海外製の有料テーマを購入して導入したとします。テーマ内のメニューやボタンが英語のままだと、訪問者にとってわかりづらい場合があります。Loco Translateを使えば、そのような英語表記をすべて日本語に翻訳して表示できます。
flowchart LR A[有料テーマを導入] --> B[英語表記が気になる] B --> C[Loco Translateで翻訳] C --> D[ナビゲーションメニューやCTAボタンが日本語に] note bottom of C: テーマ内のstrings(文字列)を直接検索・編集可能 note bottom of D: CTAはCall To Action。行動喚起ボタンのこと。
ユーザーの体験向上や離脱防止にも役立つ翻訳作業が、専門知識不要で完了できます。
Loco Translateはどのように考案されたのか
Loco Translateは、WordPressでの多言語対応を容易にするために開発されました。従来は.poや.moファイルの編集に外部ツールが必要で、初心者にとって非常にハードルが高いものでした。Loco Translateはその壁をなくし、管理画面内で翻訳を完結させる新しい発想のプラグインとして登場しました。
sequenceDiagram ユーザー->>WordPress: プラグインを利用開始 WordPress->>Loco Translate: 翻訳編集機能を提供 Loco Translate-->>ユーザー: .po/.moファイルを簡単編集 note over Loco Translate: 従来のPoeditやFTPによる作業を不要にした
考案した人の紹介
Loco TranslateはTim Whitlock氏によって開発されました。彼はソフトウェアエンジニアとして国際化とローカリゼーション(i18n & l10n)の分野に精通しており、多言語サイトの運用を簡単にするためのツールとしてLoco Translateを立ち上げました。開発当初からオープンソースとして公開し、誰でも無料で使える形で提供しています。
考案された背景
2000年代後半、WordPressの普及とともに、海外製テーマやプラグインが多く利用されるようになりました。しかし、その多くが英語表記で、日本語環境ではユーザーに不便を感じさせていました。翻訳作業のハードルを下げるために開発されたのがLoco Translateです。
Loco Translateを学ぶ上でつまづくポイント
多くの初心者がつまづくのは、.poと.moファイルの役割の違いです。.poは翻訳データを編集するファイル、.moは実際に読み込まれるバイナリファイルです。また、似た機能の「Polylang」や「WPML」との違いがわからず混乱することもあります。Loco Translateは翻訳編集に特化しているのに対し、これらはマルチリンガルサイトを構築するためのツールです。用途を正しく理解することが重要です。
Loco Translateの構造
Loco Translateは、gettextという国際化技術をベースに、.pot(テンプレートファイル)、.po(翻訳用ファイル)、.mo(実行用ファイル)の3層構造で成り立っています。WordPressのテーマやプラグインが提供する.potファイルをもとに、.poファイルを作成・編集し、最終的に.moファイルに変換されて翻訳が反映されます。
graph TD POT[.potテンプレートファイル] PO[.po翻訳ファイル] MO[.mo実行用ファイル] POT --> PO PO --> MO note right of POT: Templateファイル、元の文字列が格納 note right of PO: 翻訳内容を編集するファイル note right of MO: サイトに読み込まれるファイル形式
Loco Translateを利用する場面
主に英語ベースのテーマやプラグインを日本語対応にしたいときに利用されます。
利用するケース1
企業のWebサイトで海外製の予約システムを導入している場合、英語表記が混在してしまうことがあります。顧客が予約フォームを正確に理解できないと、ビジネスに支障をきたします。Loco Translateを活用することで、予約ボタンやメッセージ表示などを日本語に翻訳し、ユーザー体験を向上させることができます。
flowchart TD A[予約システムを導入] --> B[表示が英語] B --> C[Loco Translateで翻訳] C --> D[「Book now」が「今すぐ予約」に変化] note bottom of D: 訪問者の予約完了率が向上する
利用するケース2
教育機関が学習管理システム(LMS)を導入する際、多くが海外製のテーマやプラグインを利用しています。管理画面やユーザー画面の英語表記が多く、学生や保護者にとってわかりづらいという課題があります。Loco Translateを活用すれば、教育関係者自身が翻訳作業を行い、柔軟にローカライズ対応が可能となります。
graph TD A[教育機関がLMS導入] --> B[英語メニュー多数] B --> C[Loco Translateで翻訳] C --> D[学生・保護者が使いやすくなる] note right of D: 専門知識不要で現場の担当者が翻訳可能
さらに賢くなる豆知識
Loco Translateにはクラウドバックアップ機能があります。翻訳データをGitHubなどと連携させることも可能で、チームでの共同作業にも向いています。また、カスタムフォルダに翻訳ファイルを保存することで、テーマやプラグインのアップデートによる上書きを防止できます。翻訳履歴の管理機能もあり、変更前の状態に戻すことも可能です。
あわせてこれも押さえよう!
Loco Translateの理解において、あわせて学ぶ必要があるプラグインについて5個のキーワードを挙げて、それぞれを簡単に説明します。
- Poedit
- WPML
- Polylang
- Say What?
- TranslatePress
ローカル環境で.poファイルを編集する専用ソフトです。UIはシンプルですが、WordPressと連携するには手動作業が必要です。
多言語対応サイトを構築するためのプラグインで、翻訳管理とページごとの言語設定が可能です。
WPMLよりも軽量で、無料でも多言語対応ができる人気のプラグインです。
特定のテキストを変更するシンプルな翻訳プラグインで、Loco Translateの代替として利用されることもあります。
ビジュアル翻訳が可能で、画面上で直接翻訳内容を確認しながら作業できるのが特徴です。
まとめ
Loco Translateについての理解を深めることで、海外製テーマやプラグインを日本語で快適に使えるようになります。また、専門知識がなくても翻訳作業ができるため、Webサイト運営の幅が広がります。翻訳にかかる時間やコストも削減でき、業務効率化にもつながります。