本記事では、MOS(Microsoft Office Specialist)の最新情報(2025年8月時点)を、公式ソースに基づきわかりやすく整理いたします。試験方式・出題範囲・受験方法・受験料のほか、難易度や学習時間の目安、参考書・講座まで網羅し、合格後の活用や次のステップも具体的に解説します。
Table of Contents
MOS(Microsoft Office Specialist)(ベンダー資格)とは
MOSは、Excel・Word・PowerPoint などの Microsoft Office 製品の実務操作スキルを客観的に証明する国際資格です。問題はアプリケーション操作の実技形式で、就職・転職時のスキル証明や社内の人材育成で広く活用されています。国内ではオデッセイ コミュニケーションズが運営し、試験は全国の会場で随時実施または「全国一斉試験」で受験できます。
MOS(Microsoft Office Specialist)(ベンダー資格)試験の概要
どんな目的向けか | 就職転職年収アップ未経験からのキャリアチェンジ |
どんな職種向けか | 一般事務営業職企画職経理・財務総務マーケティングカスタマーサポート教育職 |
おすすめポイント | MOSはMicrosoft Office(Word、Excel、PowerPointなど)の操作スキルを客観的に証明できる国際資格です。特にExcelスキルは企業で高く評価され、書類作成・データ分析・プレゼン資料作成など幅広い業務に直結します。未経験者が事務職やオフィスワークに挑戦する際のアピール材料として効果的で、短期間で取得しやすいのも魅力です。 |
未経験者が取得にかかる学習時間 | 未経験者:約100〜150時間(基本操作の習得:約80時間、試験対策演習:約50〜70時間) IT実務経験者:約10〜30時間(模擬試験や弱点補強中心) |
総費用(教材+講習+試験料+更新料) | 教材費:1,500〜5,000円(参考書・問題集・模擬試験ソフト) 講習費:0円〜30,000円(独学の場合は不要、通信講座やスクール利用時に追加) 試験料:10,780円(税込、1科目ごと/Word、Excel、PowerPointなど別途受験可) 更新料:不要 |
取得方法 | 公式認定試験会場(オデッセイテスティングセンターなど)で受験し、合格すれば資格を取得できます。学習は独学、通信講座、専門スクールのいずれでも可能です。 |
合格率 | おおむね70〜80%(しっかり対策すれば高確率で合格可能) |
試験実施場所 | 全国各地の試験会場(北海道、宮城、東京、神奈川、千葉、埼玉、愛知、大阪、兵庫、広島、福岡など)にあるオデッセイテスティングセンターやパソコンスクール |
どんな企業向けか | NTTデータ, 富士通, NEC, ソフトバンク, 楽天, リクルート, パナソニック, トヨタ自動車, 三菱商事, 伊藤忠商事 |
詳細情報 | 詳細はこちらをクリック |
試験方式
- 実技(パフォーマンス)型:アプリを実際に操作してタスクを完了する形式(プロジェクトベース/マルチプロジェクト)。
- 試験時間:通常 50分(科目により若干の差)。
- OS/環境:Windows 環境で実施(Macは対象外)。
- スコア表示:試験終了直後に合否とスコアレポートが表示されます。
出題範囲
バージョンは主に Microsoft 365(Apps)/ Office 2019が対象です。例:Excel Associate(Microsoft 365 Apps)の主な領域は「ワークシート/ブック管理」「セル/範囲の管理」「表の作成と管理」「数式・関数の適用」「グラフの管理」などです。上級(Expert)は高度な機能・分析・管理タスクが中心です。
問題数・時間・合格基準点
- 問題数:おおむね 35~50問(複数プロジェクトで構成)。
- 試験時間:50分が目安。
- スコア:1~1000 点のスケール。
合否判定はスケール700点が基準ですが、実際の素点(必要正答率)は試験ごとに異なり、等化(スケーリング)によって700に換算されます。
難易度・合格率
最新の合格率データ
MOSの公式な合格率は非公開です。受験者にはスコアレポートが即時発行され、分野別の強み・弱みを確認できます。
初学者でも合格可能な理由
- 出題範囲が明確で、出版社や公式ストアの対策教材・模擬試験が充実。
- プロジェクト型の実技のため、操作を手で覚えれば得点に直結。
- 再受験ポリシー(24時間後の再受験可、以降は48時間間隔)があり、計画的に挑戦できます。
他資格との比較
- ITパスポート(国家試験):IT全般の知識を問う筆記中心。Office操作の実技証明にはならないため、MOSは実務操作スキルの客観証明として補完的。
- 日商PC検定:商工会議所系のビジネス文書・データ活用等。MOSはMicrosoft製品に特化し、企業現場での操作即戦力を示しやすい。
- VBAエキスパート:Excel/Accessの自動化(VBA)に特化。MOSの上位応用として組み合わせると範囲が広がります。
受験するメリット
- 就職:新卒・第二新卒の基礎PCスキル証明として書類選考や面接でアピールがしやすくなります。
- 転職:事務・営業・企画職での資料作成・集計スキルの裏付けに。
- スキルアップ:実務で使う機能(関数・ピボット・図表・レイアウト等)の体系的学習に最適。
- 年収アップ:企業によっては資格手当・合格報奨金の対象に設定されるケースがあります(制度有無・金額は各社規定)。
- 未経験からのキャリアチェンジ:職務経験が薄くても、できる業務の範囲を可視化できます。
- 副業/フリーランス:資料作成・データ整備・Excelレクチャー等の信頼獲得材料になります。
勉強方法・対策
勉強時間の目安
- PC初心者:60~80時間
- 学校などで基礎を学習:40~60時間
- 業務で日常的に使用:20~40時間
上級(Expert)は一般(Associate)より+20~40時間を目安にすると余裕があります。
※あくまで学習者向け目安です。模擬試験で安定してスケール700点以上が取れる状態を合格ラインとしてください。
独学と講座の選び方
- 独学向き:自己管理が得意で、教材・模擬試験を計画的に回せる方。
- 講座向き:短期で確実に取りたい/弱点克服の伴走が欲しい/業務活用まで設計したい方。
アプリや問題集の活用法
- 模擬試験の徹底反復:タイピング・操作スピードを本番時間内(50分)で仕上げる。
- 誤答ノート:間違えたタスクを「操作手順」「注意点」「ショートカット」で要約。
- 本番同等UIで練習:GMetrix等の練習環境を活用し、操作ギャップをなくす。
おすすめ参考書・教材
初学者向けテキスト
- FOM出版「よくわかるマスター MOS Excel 365 対策テキスト&問題集」ほか、365対応の定番シリーズ。
- 技術評論社などの公式範囲準拠テキスト(アオテン公式ストア掲載)も安心です。
過去問対策アプリ・問題集
- 模擬試験付きの問題集(FOM出版のダウンロード模擬など)で本番形式に慣れる。
- GMetrixなどの練習テストで時間配分と操作精度をチューニング。
通信講座・オンライン講座
- 出版社テキスト+動画のセット教材(アオテン限定セットなど)。
- 学習管理(スケジュール・課題)と質問対応がある講座だと短期合格に有利です。
試験申し込み方法・日程
受験申し込み手順
- 受験科目・バージョン(Microsoft 365 / 2019)を決める。
- 受験方式を選択:全国一斉試験(毎月1~2回) or 随時試験(各会場の設定日、ほぼ毎日)。
- オデッセイの「受験者ID」登録・ログイン(初回のみ)。
- 受験方法に沿って申込・支払い(クレカ/チケット等)。
- 当日は本人確認書類を持参して受験。
試験会場と日程
- 全国一斉試験:毎月1~2回/全国約30の受験地域から選択(公式サイト経由で申込)。
- 随時試験:全国約1,500会場が設定する日程で実施。最寄り会場を検索して予約。
受験料
- 一般(Associate)科目(Excel/Word/PowerPoint 365/2019):10,780円(学生:8,580円)
- 上級(Expert)科目(Excel/Word 365/2019):12,980円(学生:10,780円)
- Access 2019 など:10,780円(学生:8,580円)
※税込。科目により異なるため、最新の「受験料・価格」ページも必ずご確認ください。
合格後の活用方法
就職活動での活用
- 履歴書・職務経歴書・ポートフォリオに科目名・バージョン・スコアを明記。
- プレゼン資料・ダッシュボード・テンプレート作成実績を作品として提示すると効果的です。
社内評価・資格手当
- 企業によっては資格手当・合格報奨金の対象になる場合があります(制度は会社ごとに異なります)。
- 部門の業務標準化(テンプレ・マクロ・ピボット基盤整備)の主担当実績と合わせて評価を狙いましょう。
次のステップ(上位資格)
- MOS Associate/Expert の称号取得(複数科目合格でデジタル認定証が付与)。
- VBAエキスパート(自動化・効率化)、ビジネス統計スペシャリスト(Excelでのデータ分析)。
- Microsoft Certified: Power BI Data Analyst(PL-300) などのデータ分析系資格へ展開。
よくある質問(FAQ)
- Q. Macで受験できますか?
A. いいえ。Windows環境で実施されます(会場PC)。 - Q. 何点で合格ですか?
A. スコアは1~1000のスケールで、等化により700点が合格基準です。実際の必要正答率は科目ごとに異なります(スコアレポートに表示)。 - Q. 合格率は公開されていますか?
A. 公式には非公開です。 - Q. 結果はいつ分かりますか?
A. 試験終了直後に表示されます。詳細は受験者ポータルでも確認可能です。 - Q. 有効期限はありますか?
A. 2025年9月3日以降に合格した科目は「合格日から5年間」有効です。同日より前に取得した科目に有効期限はありません。 - Q. 身分証は何が必要?
A. 顔写真付き身分証(パスポート・マイナンバーカード等)1点、ない場合は本人名義の証明書2点などが必要です(詳細は公式FAQ参照)。 - Q. 受験言語は?
A. 日本語を含む多言語で提供されています。
まとめ
MOSは、実務直結のOffice操作スキルを実技で証明できるベンダー資格です。50分・プロジェクト型で、スコアは1~1000(合格基準はスケール700)。受験は全国一斉(月1~2回)または随時(全国約1,500会場)。教材・模擬試験が充実しており、初学者でも計画的な学習で十分合格可能です。2025年9月3日以降の合格には有効期限(5年)が設定されるため、最新スキルの更新も視野に、VBAやPower BIなどへのステップアップまで見据えて取り組みましょう。
参考リンク(公式・信頼ソース)
- MOS公式:試験概要・受験方法・会場検索・受験料
- MOS公式:合格率非公開・スコア・身分証等のFAQ
- Microsoft Learn(Excel Associate 365 Apps):出題領域・試験時間
- Certiport:問題数・試験時間・スコアスケーリング
- MOSニュース:有効期間(5年)追加(2025/09/03以降)
- 学習教材:アオテン公式ストア/FOM出版/GMetrix
- 上位資格:VBAエキスパート/ビジネス統計スペシャリスト/PL-300(Power BI)