本記事では、国家試験「ITパスポート(iパス)」の最新情報(2025年8月24日現在)を、受験概要・難易度・学習法・申込手順・合格後の活用まで一気通貫で解説します。公式情報(IPA)を中心に、合格率・受験料などの数値は直近データで根拠をまとめています。
Table of Contents
ITパスポート(国家資格)とは
どんな目的向けか | 就職転職年収アップ未経験からのキャリアチェンジ |
どんな職種向けか | システムエンジニアプログラマーITサポートヘルプデスク事務職(IT部門)マーケティング担当(ITリテラシーが必要な職種) |
おすすめポイント | ITパスポートは情報処理推進機構(IPA)が実施する国家資格で、ITの基礎知識を幅広く学べる点が魅力です。プログラミングだけでなく、経営戦略・セキュリティ・ネットワークなどをバランスよく理解できるため、IT未経験者が業界理解を深めたり、社会人がITリテラシーを客観的に証明するのに役立ちます。就職や転職の際に「IT基礎力がある人材」としてアピールできる点が大きなメリットです。 |
未経験者が取得にかかる学習時間 | 未経験者:約150〜200時間(基礎理論・経営戦略・セキュリティ・過去問演習) IT実務経験者:約50〜80時間(重要分野の確認と過去問演習中心) |
総費用(教材+講習+試験料+更新料) | 教材費:1,000〜5,000円(参考書・問題集) 講習費:0円〜20,000円(独学の場合は不要。通信講座やスクール利用時は追加) 試験料:7,500円 更新料:不要 |
取得方法 | IPAが実施するITパスポート試験に申し込み、CBT方式(コンピュータ試験)で合格点を取れば取得できます。合格後は登録や更新の手続きは不要です。 |
合格率 | 50%前後 |
試験実施場所 | 全国47都道府県に設置(主要都市のテストセンター:東京・神奈川・大阪・愛知・福岡・北海道など) |
どんな企業向けか | NTTデータ, 富士通, NEC, ソフトバンク, 楽天, リクルート, 日立製作所, パナソニック, キヤノン, 三菱電機 |
詳細情報 | 詳細はこちらをクリック |
ITパスポートは、情報処理技術者試験の一区分で、CBT方式で通年実施される「ITの基礎+ビジネス知識」を証明する国家試験です。対象は「職業人およびこれから職業人となる者」で、試験時間は120分・四肢択一100問です。受験資格に年齢等の制限はありません。
ITパスポート(国家資格)試験の概要
試験方式
全国のテストセンターで実施されるCBT(Computer Based Testing)。試験終了後その場で結果を確認できます。身体上の理由等でCBTが難しい場合は年2回の特別措置(筆記方式)が用意されています。
出題範囲
出題は「ストラテジ系」「マネジメント系」「テクノロジ系」の3分野。最新シラバスはVer.6.4(2025年4月17日掲載)で、AI・DX、情報セキュリティ関連の法制度なども反映されています。
問題数・時間・合格基準点
- 問題数:100問(小問形式)/方式:四肢択一
- 試験時間:120分
- 合格基準:総合評価点600点以上(1,000点満点)かつ各分野別評価点300点以上
※スコアはIRTに基づく標準化スコアで提示。
難易度・合格率
最新の合格率データ
直近の公式月次「試験結果」(令和7年4月度)では、合格率50.9%。合格率は月により変動しますが、概ね5割前後で推移しています。
初学者でも合格可能な理由
- 受験資格の制限がなく誰でも受験できる(高校生も可)。
- CBTで通年実施のため、学習進度に合わせて受験日を柔軟に設定できる。
- 出題はITだけでなく、ビジネスや法務・会計・PM等の基礎に幅広く触れるため、ゼロから体系立てて学びやすい。
他資格との比較
同じCBT系の「基本情報技術者(FE)」は、ITパスポートよりも技術寄りで難度が高い(プログラミングや計算問題、アルゴリズム等をより深く問う)。一方、ITパスポートはITリテラシー+ビジネス基礎を広く問う入門的区分です。
受験するメリット
- 就職:IT・非IT業界を問わず基礎IT力の客観的証明として活用されます。
- 転職:IT未経験の職種応募で「ITの基礎理解」を示す材料になります。
- スキルアップ:セキュリティ・DX・プロジェクトマネジメントなど業務に直結する基礎を体系化。
- 年収アップ:企業によっては資格手当の対象。例:グリーンシップで毎月3,000円の資格手当、ミラクルソリューションで資格取得報奨金の例示あり(企業ごとに条件差)。
- 未経験からのキャリアチェンジ:学歴・年齢不問で受験可、応募者数も拡大傾向。
- 副業/フリーランス:IT基礎の可視化により、業務委託・事務系×ITの案件での信頼性向上に寄与。
勉強方法・対策
勉強時間の目安
初学者は概ね100〜150時間を目安に、2〜3か月での合格を狙う学習計画が一般的です(個人差あり)。資格スクール各社もおおむね同水準の目安を示しています。
独学と講座の選び方
- 独学:公式「公開問題」+良質な解説問題集(Web/紙)で十分合格可能。費用を抑えたい人に適します。
- 講座:短期集中・動画学習・質問対応などで効率化。忙しい社会人や最短合格を狙う人に有効(例:STUDYing、TAC、U-CAN など)。
アプリや問題集の活用法
- IPAのCBT疑似体験ソフトで本番UIに慣れる。公開問題(100問)を本番同様の画面で解けます。
- 公開問題PDFを年度横断で回し、分野ごとの弱点を把握。
- ITパスポート過去問道場などのWeb問題集で周回→スコア管理→苦手潰しの循環を作る。
おすすめ参考書・教材
初学者向けテキスト
- 『キタミ式イラストIT塾 ITパスポート』:図解中心で初学者に定番。
- 『よくわかるマスター ITパスポート 試験対策テキスト&過去問題集』:学習計画を立てやすい構成。
- 『これだけ!ITパスポート テキスト&問題集』:要点凝縮+練習問題で最短合格を狙う人向け。
過去問対策アプリ・問題集
- ITパスポート過去問道場(Web/スマホ対応):ランダム出題・模擬試験モードで反復。
- 公式公開問題(PDF):最新傾向を把握するベースに。
通信講座・オンライン講座
- STUDYing(スタディング):スマホ中心の映像+問題演習。
- TAC:出題傾向分析に基づく講座ラインアップ。
- U-CAN:はじめてのIT学習でも取り組みやすい通信講座。
試験申し込み方法・日程
受験申し込み手順
- 「ITパスポート試験」公式サイトで利用者ID登録。
- 希望の会場・日時を選択し、申込(支払はクレカ・コンビニ・バウチャー)。
- 確認票をダウンロード・印刷(当日持参)。
試験会場と日程
全国47都道府県のテストセンターで、3か月先までの空席状況を確認しながら随時予約できます。時間帯は概ね「午前・午後・夕方」の3枠です。
受験料
7,500円(税込)。支払後の返金は不可。
合格後の活用方法
就職活動での活用
非IT系も含め応募先でのIT基礎力の証明として評価されます。応募者・受験者は年々増加し、2024年度の年間応募者数は初の30万人超。
社内評価・資格手当
企業により資格手当や報奨金の対象となるケースがあります(例示企業あり)。自社規程を確認しましょう。
次のステップ(上位資格)
- 情報セキュリティマネジメント(SG):セキュリティ実務の基礎へ。
- 基本情報技術者(FE):プログラミングやアルゴリズムなど技術要素を深める。
- 応用情報技術者(AP):より高度なIT知識・設計やマネジメントへ。
よくある質問(FAQ)
高校生でも受験できる?
受験資格の制限はなく、高校生を含め誰でも受験できます。
独学で何ヶ月かかる?
初学者はおおむね2〜3か月(100〜150時間)が目安。平日は1〜2時間+週末にまとまった時間を取ると計画が立てやすいです。
合格証はいつ届く?
合格者番号の掲載後、翌月に合格証書が簡易書留で郵送されます(再発行不可・保管期限あり)。
まとめ
ITパスポートは、通年CBT・学習範囲が実務直結で、直近の合格率も5割前後と初学者が狙いやすい国家資格です。最新シラバス(Ver.6.4)や公式公開問題を活用し、100〜150時間を目安に計画的に学べば、未経験からのキャリア形成や社内評価の向上につながります。受験料・手順・会場は公式サイトで随時確認し、最短での合格を目指しましょう。