【サーバーNo.320】今更聞けない!リモートプロシージャコールをサクッと解説

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リモートプロシージャコール(RPC)は、異なるシステム間でのプログラム実行を可能にする技術です。これにより、ネットワークを介して別のコンピュータ上で関数や手続きを呼び出すことができます。

リモートプロシージャコールとは?

リモートプロシージャコール(RPC)は、一つのシステム上のプログラムが、ネットワークを介して別のシステム上のプログラムに対して手続きを呼び出すメカニズムです。クライアント/サーバーモデルを利用して、クライアントがサーバー上でプロシージャを実行するかのように動作します。

わかりやすい具体的な例1

企業のデータベースサーバーに対して、別のオフィスからデータベースへの問い合わせを行う場合、そのオフィスのコンピューターからデータベースサーバーに対してRPCを使って問い合わせを行います。これにより、遠隔地でも瞬時にデータを取得できます。

わかりやすい具体的な例2

オンラインゲームでのプレイヤー間のコミュニケーションを可能にするチャットシステムも、RPCを用いることがあります。サーバーは各クライアントからのメッセージを受け取り、それを他のクライアントに転送するプロシージャを実行します。

リモートプロシージャコールはどのように考案されたのか

リモートプロシージャコールは、1970年代に分散コンピューティングの必要性が高まる中で開発されました。これは、システム間の連携を効率的に行うための技術として注目されました。

考案した人の紹介

この技術の初期の開発者の一人に、ブルース・ジェイ・ネルソン(Bruce Jay Nelson)がいます。彼は1981年にカーネギーメロン大学でRPCに関する基礎的な論文を発表しました。

考案された背景

分散システムの研究が進む中、プログラムの実行を物理的な場所から独立させる方法として、リモートプロシージャコールが考案されました。これにより、ネットワーク全体でプログラムの実行が可能になり、システムの拡張性と保守性が向上しました。

リモートプロシージャコールを学ぶ上でつまづくポイント

RPCを学ぶ際には、ネットワークの遅延やプロシージャの実行エラーなど、分散システム特有の問題に対する理解が必要です。これらは、ローカルでのプログラム実行とは異なる考慮が必要とされるためです。

リモートプロシージャコールの構造

リモートプロシージャコールの基本構造は、クライアントがサーバーに対して手続き実行のリクエストを送り、サーバーがその処理結果をクライアントに返すという形式を取ります。この過程では、パラメータのマーシャリング(データ形式の変換)や通信プロトコルの使用が含まれます。

リモートプロシージャコールを利用する場面

リモートプロシージャコールは、システム間のデータ共有や遠隔操作が必要な場面で広く利用されます。特に大規模なアプリケーションや企業間でのデータ連携に効果的です。

利用するケース1

医療機関が異なる施設間で患者情報を共有する場合、セキュアなRPCを通じて効率的にデータアクセスを行います。これにより、診断や治療の質が向上します。

利用するケース2

フィンテック企業が金融情報を異なる金融機関間で共有するためにRPCを使用します。これにより、ユーザーの信用情報の更新や取引情報の確認がリアルタイムで行えます。

さらに賢くなる豆知識

RPCは、異なるプログラミング言語で書かれたアプリケーション間でも連携可能です。この多言語間の互換性は、RPCの大きな強みの一つです。

あわせてこれも押さえよう!

  • SOAP
  • SOAPは、RPC実行のためのプロトコルの一つです。XMLベースのメッセージを使用し、HTTPを通じてデータを交換します。

  • REST
  • RESTは、リソース指向アーキテクチャを採用し、RPCよりもシンプルで拡張性の高いAPI設計方法です。

  • gRPC
  • gRPCはGoogleによって開発された、高性能なRPCフレームワークです。プロトコルバッファを利用してデータを効率的にシリアライズします。

  • JSON-RPC
  • JSON-RPCは、JSONを使用してRPCを実現するプロトコルです。軽量でありながら、強力なデータ交換能力を持ちます。

  • XML-RPC
  • XML-RPCは、XMLを使用してRPCを行う古いプロトコルですが、そのシンプルさからまだ多くのシステムで使用されています。

まとめ

リモートプロシージャコールを学ぶことは、分散システムの設計と実装において重要なスキルです。これにより、異なるプラットフォームや言語間での連携が容易になり、システムの柔軟性と拡張性が向上します。