【サーバーNo.123】今更聞けない!RAIDをサクッと解説

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RAIDはデータの安全性とパフォーマンスを向上させるために使われる技術です。このページでは、RAIDについて詳しく、わかりやすく説明します。RAIDに関心があるけれど、難しそうに感じる方でも安心してお読みいただける内容となっています。

RAIDとは?

RAID(Redundant Array of Independent Disks)は、複数のハードディスクを組み合わせて、データの保存や処理を効率化し、安全性を高める技術です。一つのハードディスクが故障した場合でも、データを損失せずに復元できることが最大の特徴です。

わかりやすい具体的な例1

RAIDを冷蔵庫に例えてみましょう。通常の冷蔵庫は1つのコンテナに食材を保存しますが、RAIDは複数の小さな冷蔵庫を用意して、それぞれに食材を分散して保存します。このようにすることで、1つの冷蔵庫が壊れても他の冷蔵庫に保存された食材は無事です。このように、RAIDはデータを複数のディスクに分散させて保存し、ディスクの故障によるデータ損失を防ぐことができます。

わかりやすい具体的な例2

RAIDをピースのパズルに例えることもできます。通常、1つのピースがなくなるとパズル全体が完成しませんが、RAIDでは同じパズルのコピーが複数あり、1つのピースがなくなっても他のコピーからそのピースを補完することができます。これにより、RAIDはデータを複製し、どれかのディスクが故障しても、他のディスクからデータを復元することが可能です。

RAIDはどのように考案されたのか

RAIDは1987年にデビッド・A・パターソンらが考案した技術で、データの信頼性とパフォーマンスを向上させるために開発されました。当時のストレージ技術では、大容量データを安全に保存することが難しく、RAIDがその問題を解決するための手段として注目されました。

考案した人の紹介

RAIDの考案者の一人、デビッド・A・パターソンは、カリフォルニア大学バークレー校で計算機工学の教授を務めていました。彼の研究はストレージ技術だけでなく、計算機アーキテクチャ全般に大きな影響を与え、RAIDはその中でも最も重要な発明の一つとされています。

考案された背景

1980年代後半、コンピュータの性能は向上していましたが、ストレージの信頼性が問題となっていました。ハードディスクの故障が頻発し、重要なデータが失われるリスクが高まっていたのです。これを解決するために、データを複数のディスクに分散して保存するRAID技術が開発されました。この技術は、データの信頼性を飛躍的に向上させ、企業や研究機関で広く採用されるようになりました。

RAIDを学ぶ上でつまづくポイント

RAIDの概念や仕組みは一見複雑で、多くの人が最初に混乱するポイントです。特に、RAIDのレベル(RAID 0、RAID 1、RAID 5など)において、どのレベルがどのような利点と欠点を持っているのかを理解するのは難しいです。RAID 0はデータの分散のみを行い、信頼性が低いのに対し、RAID 1はデータの完全な複製を行い、高い信頼性を持つなど、各レベルの特性を理解することが重要です。

RAIDの構造

RAIDは、複数のディスクを組み合わせて1つのストレージシステムとして動作させます。RAIDの構造は、ディスクの配置方法やデータの分散方法によって異なります。例えば、RAID 0ではデータをブロック単位で複数のディスクに分散し、RAID 1では同じデータを複数のディスクにミラーリングして保存します。また、RAID 5ではデータとパリティ情報を複数のディスクに分散して保存し、ディスク障害時にデータを復元可能にします。

RAIDを利用する場面

RAIDは、データの安全性とパフォーマンスを求めるさまざまな場面で利用されています。特に、大規模な企業システムやサーバー環境では、データの信頼性が非常に重要です。RAIDは、データのバックアップと高速アクセスを同時に実現するために、頻繁に使用されています。また、RAIDは家庭用のNAS(ネットワークアタッチトストレージ)でも活用され、データの保護と管理が簡単に行える点で人気があります。

利用するケース1

例えば、企業のデータセンターではRAID 5やRAID 6がよく利用されています。これらのRAIDレベルはデータとパリティ情報を複数のディスクに分散させ、ディスクの故障が発生してもデータを失うことなく、システムを継続して運用することができます。これにより、企業は重要なデータを安全に保護し、業務を中断することなく続けることができます。

利用するケース2

また、RAID 1は家庭用のNASや小規模なビジネス環境でよく使用されます。RAID 1ではデータが複製され、2つのディスクに同じデータが保存されるため、1つのディスクが故障してももう一方のディスクからデータを復元することができます。これにより、家庭や小規模ビジネスでも重要なデータを確実に保護することができます。

さらに賢くなる豆知識

RAIDは、元々「Redundant Array of Inexpensive Disks」という名前で提案されましたが、その後、「Independent Disks」に変更されました。この変更は、RAIDが安価なディスクだけでなく、さまざまなディスクに適用可能であることを強調するためです。また、RAIDには、ハードウェアRAIDとソフトウェアRAIDの2種類があり、ハードウェアRAIDは専用のコントローラーを使用して構成され、ソフトウェアRAIDはオペレーティングシステムによって管理されます。

あわせてこれも押さえよう!

  • RAID 0
  • データを複数のディスクに分散して保存し、パフォーマンスを向上させますが、信頼性は低いです。

  • RAID 1
  • データを複数のディスクにミラーリングして保存し、高い信頼性を提供します。

  • RAID 5
  • データとパリティ情報を複数のディスクに分散して保存し、ディスク障害時にもデータを復元できます。

  • RAID 6
  • RAID 5に似ていますが、より高い信頼性を提供し、複数のディスク故障に対応可能です。

  • RAID 10
  • RAID 1とRAID 0を組み合わせた技術で、高いパフォーマンスと信頼性を両立させます。

まとめ

RAIDは、データの安全性を確保しながら、システムのパフォーマンスを向上させるために非常に重要な技術です。RAIDについての理解を深めることで、データ管理の効率化やビジネスの信頼性向上に役立つ知識を得ることができます。特に、RAIDの各レベルやその利点を理解することは、適切なデータ保護戦略を立てるために不可欠です。