【ツールNo.148】今更聞けない!SendGridをサクッと解説

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本記事では、メール配信プラットフォーム「SendGrid」について、初心者の方にも理解しやすいように丁寧に解説していきます。

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SendGridとは?

SendGridとは、クラウドベースのメール配信サービスであり、開発者や企業が大量のメールを安定的に送信できるプラットフォームです。SMTPリレーやAPIを通じて、トランザクションメールやマーケティングメールの送信を支援します。信頼性の高い配信インフラを提供し、スパム判定を回避しやすいのも特徴です。

わかりやすい具体的な例

わかりやすい具体的な例1

たとえば、ネットショップで商品を購入したお客様に「注文完了メール」を自動で送る場合、SendGridを使うとシステムと連携してすぐにメールを届けられます。メールはGmailなどにスムーズに届き、迷惑メールに入りにくくなります。設定も簡単で、管理画面からテンプレートを用意しておけば、誰でも扱えます。

graph TD A[ECサイトの注文完了] --> B[注文データがサーバーに送信] B --> C[SendGrid APIを呼び出し] C --> D[テンプレートメールを生成] D --> E[ユーザーにメール送信] E --> F[GmailやYahooなどで受信] C:::note --> G[※API:外部と通信するための仕組み] style C fill:#f9f,stroke:#333,stroke-width:2px

このように、システムが自動でSendGridを経由して注文確認メールを送ってくれるため、メール対応の手間が省け、ユーザーにも安心感を与えられます。

わかりやすい具体的な例2

たとえば、イベント参加者にリマインダーメールを送る場合、手動では数百人にメールするのは現実的ではありません。SendGridなら一括で配信でき、メールが開封されたかなどのデータも取得できます。これにより、参加率の向上に役立てることができます。

sequenceDiagram participant Admin as イベント運営者 participant SendGrid as SendGridシステム participant User as 参加者 Admin->>SendGrid: 一括メール配信設定 SendGrid->>User: リマインダーメール送信 User->>SendGrid: メール開封通知 SendGrid->>Admin: 開封率レポート提供

このように、リマインダーを自動化することで、手間を省きつつ、参加者の行動データも取得できるため、より良い運営が可能になります。

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SendGridはどのように考案されたのか

2009年、テクノロジー企業にとって課題だった「スパム扱いされないメール配信の仕組み」を解決するためにSendGridは開発されました。当時、企業は独自のSMTPサーバーでの運用に苦労しており、配信の信頼性やスケーラビリティに問題がありました。その解決策として、信頼性の高いAPIベースのメールインフラとして登場したのがSendGridです。

flowchart LR A[2009年以前: 自社SMTP中心] --> B[送信数増加により障害] B --> C[到達率低下・ブラックリスト問題] C --> D[クラウド型のニーズ高まる] D --> E[SendGridの開発] E --> F[高スケーラビリティ・API提供]

考案した人の紹介

SendGridを考案したのはIsaac Saldana(アイザック・サルダナ)氏です。彼はエンジニアとしての経験を持ち、自身がメール配信で苦労した体験からこのサービスの必要性を実感しました。共同創業者としてJose LopezとTim Jenkinsも名を連ね、Y Combinatorからの支援を受けてスタートアップとして成長しました。やがてTwilioに買収され、より広範な通信インフラの一部となりました。

考案された背景

2000年代後半、Webサービスの台頭とともに大量メール配信のニーズが急増しました。特にリテンションマーケティングが重視される中、メールの到達率と効率的な配信管理が課題となっていました。こうした背景から、信頼性とスケーラビリティを両立するメール配信インフラが求められていたのです。

SendGridを学ぶ上でつまづくポイント

多くの人が最初につまずくのは「API連携」の概念です。特に非エンジニアの方は、APIがどのように動くのかイメージしづらく、認証情報(APIキー)の扱いに戸惑います。また、メールテンプレートの動的差し替えやHTMLメールの組み立てにも学習コストがあります。これらは公式ドキュメントやチュートリアルを活用して少しずつ理解を深める必要があります。

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SendGridの構造

SendGridの構造は、SMTPリレーとREST APIベースで構成されており、送信リクエストがキューに入り、バウンス管理・スパムフィルタ処理・テンプレート適用・メール配信が非同期で行われます。さらに、開封率やクリック率などの解析データもダッシュボードで確認できます。

flowchart TD A[メール送信リクエスト] --> B[キュー処理] B --> C[テンプレート適用] C --> D[送信処理(SMTP/API)] D --> E[宛先へ配信] E --> F[開封・クリックトラッキング] F --> G[レポート生成・可視化] B:::note --> H[※キュー:処理を順番に管理する仕組み]

SendGridを利用する場面

SendGridは、大量のメールを正確に届けたい場面で活用されます。

利用するケース1

ECサイトでは、ユーザーが購入した後に送信する「注文完了」「発送通知」「キャンセル確認」など、トランザクションメールの配信に活用されています。これらのメールは信頼性が重要であり、ユーザーの不安を解消する役割を持つため、高い到達率が必要です。SendGridでは、APIで簡単に統合できるため、フロントエンドやバックエンドのシステムと連携して、リアルタイムでメールを配信できます。

graph LR A[商品購入完了] --> B[SendGrid APIへ送信] B --> C[テンプレート選択・送信処理] C --> D[顧客へ即時通知メール] D --> E[開封確認・配信状況ログ記録]

利用するケース2

セミナー運営やイベントマーケティングでも、リマインダーや参加特典メールの配信に活用されます。特にSendGridはセグメント配信機能が充実しており、参加者の属性に応じてメール内容を自動で最適化できます。また、A/Bテスト機能を活用することで、どの文面が反応率が高いかも可視化できます。

sequenceDiagram participant Organizer as イベント運営者 participant SendGrid as SendGrid participant Attendee as 参加者 Organizer->>SendGrid: セグメント配信設定 SendGrid->>Attendee: リマインダーメール送信 Attendee->>SendGrid: 開封/クリック反応 SendGrid->>Organizer: レポート提供

さらに賢くなる豆知識

SendGridはTwilioに買収された後、SMSや音声通知とも統合可能になり、全方位的な通知インフラとして進化しています。また、Google Cloud、Azure、AWSとの連携も容易で、クラウドネイティブな開発との相性も抜群です。SendGridのIPウォーミング機能を活用すれば、新しい送信ドメインでもスムーズな運用が可能になります。

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あわせてこれも押さえよう!

SendGridの理解において、あわせて学ぶ必要があるツールについて5個のキーワードを挙げて、それぞれを簡単に説明します。

  • Mailgun
  • SendGridと同様にメールAPIを提供するサービスで、開封率追跡やログの確認が可能です。

  • Amazon SES
  • AWSが提供するメール配信サービスで、コストパフォーマンスに優れた選択肢です。

  • SMTP
  • メール送信の通信規約で、SendGridでもこの仕組みを基盤にしています。

  • Twilio
  • SMSや音声通話APIを提供するサービスで、SendGridを買収し統合されました。

  • Zapier
  • SendGridと他サービスをノーコードで連携できる自動化ツールです。

まとめ

SendGridを理解することで、ビジネスメールの自動化や到達率向上が図れ、作業効率と顧客満足度を同時に向上させられます。特にAPIとの連携やテンプレート管理を習得すれば、様々なシーンで活用できます。中長期的にはマーケティング戦略の軸としても活躍するツールです。

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